2008年度工学院大学 第1部機械システム工学科
△化学II(Chemistry II)[3560]
2単位 高山 俊夫 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 理工系大学生として必要な知識を深く理解するために学んでおかなければならない基礎科目の1つである「化学II」を原子・分子に着目することによって理解することを試みる。「物質の構造と状態」,「化学反応の速さと化学平衡」,「生命体と物質」,「人間生活と物質」に化学がどのように関わり合っているかを理解することが目標となる。履修する前と後で結合・溶液・酸化還元・金属・固体・物質・材料・生命の見方が違ってきたなあ!?と思わせるように講義する。本科目で化学の基礎的素養を習得することによって,高学年の専門工学科目への深い理解につながることをねらっている。
- <授業計画>
- 1:ガイダンス・復習:化学Iで学んだ原子と分子,化学結合について復習する。
2:物質の三態(I):物質は固体・液体・気体の三態をとる。気体,溶液,コロイドについて解説する。 ナノ粒子の説明も行う。 3:物質の三態(II):固体構造と液晶について講義する。何故,金は箔になるのか,液晶は何故発色す るのか,等を説明する。 4:化学反応(I):化学反応速度,化学変化とエネルギー,化学平衡について講義する。 5:化学反応(II):酸・塩基反応と酸化還元反応について講義する。計算問題を解き理解を深める。 6:無機物質(I):非金属単体・水素化物・酸化物,金属単体・金属化合物について解説する。 7:無機物質(II):錯体化合物の色について講義する。金属イオンの定性分析方法について解説する。 8:有機化学の基礎:有機化合物をσ-π 結合から概観し,異性体・有機反応について講義する。 9:低分子有機化合物(I):炭化水素,脂肪族化合物について解説する。 10:低分子有機化合物(II):芳香族,置換芳香族化合物の合成とその性質について講義する。 11:天然有機化合物(I):油脂の不飽和度について講義する。単糖・二糖・多糖について講義する。 12:天然有機化合物(II):タンパク質,酵素,核酸(DNA)について講義する。 13:高分子化合物(I):天然繊維から派生した合成繊維の構造について講義する。 14:高分子化合物(II):合成樹脂及びゴムの性質と化学構造について講義する。 15:学期末試験
- <成績評価方法及び水準>
- 定期試験80点,小テスト・レポート20点による総合評価。結合・溶液・酸化還元・反応速度・金属・固体・物質・材料・生命,が理解できれば合格(60点)。 50〜59点の者はレポート提出を認め,レポート内容が単位認定相当と判断される場合には最終成績を60点とする。適時,小テストを行うので,出席は必須条件である。
- <教科書>
- 「一般化学」三訂版 長島弘三・富田 功 共著(裳華房),必要に応じてプリントを配布する。理解を深めるために演習問題を課す。
- <参考書>
- 興味のある学生は「基礎からの無機化学」山村博,門間英毅,高山俊夫共著(朝倉書店)を参照されたい。
- <オフィスアワー>
- 原則,講義の前と後の時間が推奨される。また,毎回の授業中での質問・応答として対応する。時間内に理解できなかった授業内容は質問状として受け取り,次週に説明する。
E-mail(takayt01@kanagawa-u.ac.jp)。
- <学生へのメッセージ>
- 学びのキーワード :どのようにして化合物ができるの?どのようにして化合物の形が決まるの?水に溶けたり、溶けなかったりする物質がどうしてあるの? 酵素は限られた基質しか何故反応しないの?等の疑問を持って講義を受けてください。毎回授業に参加し,演習問題を解きながら理解を深めてください。暗記する必要はありません。期末試験は毎週授業のキーワードから出ます。
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