2008年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース

材料強度学(Advanced Strength of Materials)[3C02]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
柴田 浩司 非常勤講師

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
機械装置あるいは部品の設計、使用に際しては、材料の力学的特性値を考慮することが必須である。本講義では、金属材料を中心とする結晶性材料の、主に一軸応力下における力学的材料特性値の決定要因、工学的意味を学び、機械装置あるいは部品の設計、使用において、材料を有効かつ安全に使いこなす素養を習得する。

<授業計画>
1. 結晶塑性の基礎1  <眞応力>-<眞ひずみ>曲線、<弾性>と<塑性>、すべり系
2. 結晶塑性の基礎2  材料の変形と転位、すべり面、すべり方向、せん断変形
3. 結晶塑性の基礎3  <転位>の基本的性質、変形速度と温度の効果
4. 材料の強化機構1  結晶粒の微細化、固溶強化、ひずみ時効
5. 材料の強化機構2  析出・分散強化、複合強化、加工強化
6. <破壊>の基礎1   延性破壊、脆性破壊、延性-脆性遷移、Griffithの理論
7. <破壊>の基礎2   破面観察(フラクトグラフィー)、破壊の統計的性質
8. <破壊>の基礎3   <破壊力学>、破壊靭性、応力拡大係数、破壊靭性値
9. <疲労>       S-N曲線、耐久限度線図、Manson-Coffinの法則、
累積損傷則、切り欠き効果、表面効果、<損傷許容設計>
10. 高温における変形と破壊  <クリープ>、寿命予測、<耐熱材料>
11. 環境破壊      <環境強度>、応力腐食割れ、遅れ破壊、液体脆化
12. 非金属材料の強度と破壊 セラミックス、アモルファス合金、金属間化合物
13. <材料試験法>    引張試験、硬さ試験、衝撃試験、破壊靭性試験、クリープ試験

<成績評価方法及び水準>
講義のたびに小テスト、数回レポートを課す。配点割合は、(小テスト+レポート)が30点、(中間テスト+期末テスト)が70点(多少変化することもある)。総合点が60点以上を合格とする。ただし、総合点が60点が近く希望する者にはレポートを課し、レポートの成績が良ければ合格とする。

<教科書>
「材料強度学要論 改訂増補」 朝倉書店 小寺沢良一著

<参考書>
「演習 材料強度学入門」 大河出版 砂田久吉著
「材料強度学」 日本材料学会

<オフィスアワー>
講義後の30分(講師室)
その他の時間:e-メールで対応します  kojichiekoshibata@yahoo.co.jp

<学生へのメッセージ>
材料の特性は、材料の使い方で大きく変化します。どんなに優れた材料でも、使い方を間違えると簡単に破壊し事故の原因になるこすこともあります。この講義をつうじて、材料を安全、安心に使うための基礎を理解して貰えれば幸いです。

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2008 Kogakuin University. All Rights Reserved.