2008年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース

伝熱工学(Heat Transfer)[4C01]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
大竹 浩靖 教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
伝熱現象は、エネルギー機器を中心に、広範な分野に関連する基礎的過程である。この講義では、各種伝熱過程、特に熱伝導および熱伝達の現象把握およびその定量化を目的として、概要的な解説と基本事項に関する定式化を進める。具体的には、基本的な物体(平板、円柱等)内の熱伝導計算および基本的な形状(平板、円管内等)と流れ場(一様流、定常流等)における熱伝達計算を行える能力、また熱交換器設計を行える能力の獲得を目指す。

(JABEE学習・教育目標)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(A)○、(D)◎、(F)○
(JABEEキーワード)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:質量と運動量の保存、エネルギー保存則、熱移動と温度、気体の流動、相似則、理想流体の力学、層流と乱流、粘性流体の力学、圧縮性流体の力学、熱放射と放射伝熱、相変化、熱交換器、温度/熱計測、熱伝導、対流熱伝達、エネルギーの伝達
(前提となる基礎知識と習得後の展開)
 本科目を履修する前に、工業熱力学I及演習により、物質や諸機械の熱的性質や作用の理論を、流れ学I及演習により初等流体力学を、また数学I、IIなどにより解析学(微分積分学)を習得しておく必要がある。本科目の修得により、蒸気工学で行うような熱エネルギー機器内の現象の理解へ進める。

<授業計画>
1.伝熱概説:熱力学第二法則と伝熱、熱エネルギー伝達、熱伝導概説(機構およびフーリエの法則)、対流伝熱概説(ニュートンの冷却法則と強制対流・自然対流)、放射伝熱(機構およびステファン・ボルツマンの法則)
2.熱伝導1:熱伝導の微分方程式、境界条件、一次元定常熱伝導(平板、円管、積層等)、熱通過率。
3.熱伝導2:内部発熱をともなう1次元定常熱伝導、拡大伝熱面(フィン)とフィン効率、2次元定常熱伝導。
4.熱伝導3:1次元非定常熱伝導、熱伝導方程式の数値解、ハイスラー線図。
5.対流熱伝達の基礎1:境界層、境界層方程式(連続の式、運動量式、エネルギー式)
6.対流熱伝達の基礎2:次元解析、相似則、熱伝達の無次元表示
7.層流熱伝達1:境界層の運動量積分式、平板に沿う速度境界層と温度境界層
8.層流熱伝達2:境界層のエネルギー積分式、流れに平行な平板の層流熱伝達
9.層流熱伝達3:円管内の層流熱伝達
10.乱流熱伝達1:乱流における速度変動と渦粘性、乱流境界層の速度分布(平板)
11.乱流熱伝達2:乱流境界層の速度分布(円管)、円管内乱流熱伝達
12.乱流熱伝達3:乱流熱伝達の実験式(円管内および管外、球、管群、その他)
13.熱交換器:対数平均温度差、多重パス・直交流の対数平均温度差補正、汚れ係数
14.定期試験

<成績評価方法及び水準>
 原則として定期試験で最終成績を評価し,60点以上の者に単位を認めます.なお、毎講義時間内に簡単な演習問題を解いてもらいます。また、中間試験も行います。最終成績の細かい評価に関しては、毎講義時間内の演習および中間試験の結果も一部分考慮します。
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」の学習・教育目標(D)の一部は,上記の評価基準を満たせば,達成されます.

<教科書>
「伝熱工学(上)」、平田賢他共訳(ブレイン図書出版)

<参考書>
「JSMEテキストシリーズ 伝熱工学」日本機械学会(丸善)
「伝熱工学」庄司正弘(東京大学出版会)
「伝熱概論」甲藤好郎(養賢堂)

<オフィスアワー>
主として講義後約1時間。講義後、問合せて下さい。

<学生へのメッセージ>
工業熱力学I及演習、工業熱力学IIと同様、機械工学における基礎力学の一つです。特に、エコエネルギーコースの学生諸君は、しっかりと身に付けて下さい。
授業最初の日にお配りしたものと同じです。なお、2008年度は、伝熱の概要、熱伝導、熱流体の基礎式について詳しく解説し、13は割愛しました。

<参考ホームページアドレス>
http://intra.ns.kogakuin.ac.jp/~at10988/

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2008 Kogakuin University. All Rights Reserved.