2007年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
△政治システム論(Political Systems)[1126]
2単位 小野 一 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 時事問題を扱った書物(新書本など)を手がかりに、現代日本政治の問題状況を批判的に考察する。
全体を4つの「期」に分け、それぞれの期ごとにテキストとトピックを設定して講義を行う。各期の終わりに小テストまたはレポートによる到達度調査を行う。 各期ごとの到達目標はその都度提示する。一般論としては、書物を読み、分析し、思考し、論理的な文章で表現するという、一連のプロセスを重視する。
- <授業計画>
- 【第1期】政治とは何か −− M.ヴェーバー『職業としての政治』を手がかりに
・「権力」概念と政治的「正統性」 ・政治指導者に問われるもの:「責任倫理」と「心情倫理」の緊張の中で 【第2期】閉塞の時代の世論状況 −− 香山リカ『ぷちナショナリズム症候群』を手がかりに ・堕ちていく政治:「あきらめ」と「バッシング」の病理学 ・ニッポン大好き:「ぷちナショ」の深層心理 ・「自由からの逃走」の行き着く先 【第3期】戦後日本政党政治の変容 −− 山口二郎『戦後政治の崩壊』を手がかりに ・言論が危ない、憲法が危ない、民主主義が危ない! ・55年体制とその崩壊 ・戦後民主主義の脆弱性 【第4期】ポピュリズムを超えて −− 大嶽秀夫『日本型ポピュリズム』を手がかりに ・メディア政治とポピュリズム ・「エンタメ」化する政治、善悪二元論の災い ・政治に「言葉」を取り戻そう 【期末試験】
- <成績評価方法及び水準>
- 各期ごとに行われる小テストまたはレポートを平常点として記録し、所定の条件を満たした学生には学期末試験の受験資格を付与する(課題不提出や合格水準未達成の場合は、学期末試験の受験が許可されないことがある)。学期末試験で60点以上を獲得した場合に、合格と認定される。
- <教科書>
- 「教科書」は用いないが、授業や課題提出の際に文献を指定する。「参考書」の項も参照のこと。
- <参考書>
- 各期に使用するテキスト(「授業計画」の項にも表示)の書誌情報は、M.ヴェーバー『職業としての政治』(岩波文庫)、香山リカ『ぷちナショナリズム症候群』(中公新書ラクレ)、山口二郎『戦後政治の崩壊』(岩波新書)、大嶽秀夫『日本型ポピュリズム』(中公新書)。時事問題への対応のため、テキストは変更される場合がある。その他の参考書は講義中に指示する。なお、ヴェーバー『職業としての政治』に関しては、初回授業から使用するとともに、ゴールデンウィーク明けをめどに提出してもらう第1回レポートの課題図書となるので、各自本を用意した上で受講すること。
- <オフィスアワー>
- 八王子校舎1号館314号室:木曜日5時限目(前期)、木曜日昼休み(後期)
新宿校舎27階2744号室:月:11〜12時(前期)、火:11〜12時(後期)、水曜日17〜18時(通年) 上記以外にも、事前に協議の上で研究室来訪の日時を予約することができる。休暇中は必ず事前に予約した上で来室すること。
- <学生へのメッセージ>
- 私は政治学者として、今日の政治状況を深く憂慮する者です。既成制度が現代社会の新しい問題状況に答えきれず、政治家のスキャンダルが相次ぐ現実を前に、政治的無関心がはびこるのも無理からぬことかもしれません。しかし政治の劣化に対しては、私たち市民の側にも責任の一端はあります。多くの人が考えることを放棄し、直感的にわかりやすいシンボル的テーマに付和雷同的に反応している状況は、民主主義の危機とも言いうる状況だからです。
今年の講義では、「ポピュリズム」ということが大きなテーマになります。ポピュリズムを超えて、市民社会の生き生きとした議論を政治に場に反映させるためには、私たち市民の成熟が求められます。ある程度まとまった書物を批判的に読み、自分の頭で考えることを通じて、そのための訓練を行っていく場にしたいと思います。意欲的な学生の参加を望みます。
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