2007年度工学院大学 第1部環境化学工学科

政治と法(Law and Politics)[1105]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
井上 知樹 非常勤講師

最終更新日 : 2009/10/28

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 日本国憲法が規定する統治機構条項の習得を通じて、歴史感覚と時代感覚の練磨、個人尊重の価値観の練成、人権感覚の涵養、立憲民主主義という統治原理の会得、及び、国政における主権者としての意識・自覚と責任感の彫琢を目指したい。併せて、それらの前提として文章の読解力・表現力の鍛錬を図りたい。

<授業計画>
第1回 ガイダンス・オリエンテーション(大学における勉強とは?)
第2回 憲法史(市民革命史・近現代史)
第3回 明治憲法から日本国憲法へ
第4回 象徴天皇制
第5回 権力の民主化と権力の分立
第6回 自分たちのことは自分たちで決める(社会契約論)
第7回 国民主権・選挙権・政党
第8回 国会・国会議員・議院
第9回 内閣・議院内閣制・財政
第10回 自分のことは他人に決めさせない
第11回 裁判所・違憲審査権
第12回 地方自治・野党
第13回 まとめ・総括

<成績評価方法及び水準>
 授業への出席を単位認定のための前提とし、期末に実施される筆記試験を基準にして期中に数回課される小論文を加味し、以上を総合的に勘案して60点以上の者に単位を認める。委細については期首の授業時に説明するので、必ず出席すること。

<教科書>
 特に指定することはせず、期中に数回課されるレポート時に参考文献を配布する。

<オフィスアワー>
 授業の開始前又は終了後に、講師控室にて。

<学生へのメッセージ>
 昨今の日本の政治は、革命的とも言える圧倒的な国民的支持を得た小泉内閣の下で運営されてきましたが、昨年9月、安倍内閣成立後、その内閣支持率は小泉内閣を継承していました。ところが、昨今の安倍内閣の支持率は、漸減的低下の傾向にあり、遂に危険水域にまで下落してきました。にも拘らず、小泉前首相の郵政解散による衆議院議員総選挙の時に圧勝した自公連立与党という絶大な基盤を背景に、低支持率の安倍内閣は次々と重要法案を成立・改正させています。
 こうした現象も、多数決という民主主義の原則からすれば、当然と見る向きもあるでしょう。確かに、我々が小学校の児童会や学級会以来馴染んできた民主主義の多数決という原則からすれば、当たり前の結果であります。しかし、諸君は小・中学生ですか。大学生ならば、そういった初等中等教育レベルに留まっていてもらっては困ります。政治、即ち、国家統治の原理原則は、民主主義だけではありません。立憲主義というもう一つの原理があります。
 そこで、本講義では、民主主義は重要性と共に危険性を併せ持つという両義性を前提に、民主主義というアクセルと立憲主義というブレーキということを理解してもらうことを企図しています。工学系の学生諸君にとっては、フェール・セーフということは当然でしょう。ならば、国政においても民主政治というアクセルだけでは極めて危険であり、万が一それが暴走し始めたら、民主主義を止めるブレーキング・システムが必要なことは、当然理解頂けるのではないでしょうか。
 本講義が、学生諸君にとって、言葉としては人口に膾炙し陳腐化している「民主主義」について愚直なまでに考える奇貨となれば、講義担当者の意図は達成されたと言えるでしょう。

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2007 Kogakuin University. All Rights Reserved.