2007年度工学院大学 第1部応用化学科
○化学II(Chemistry II)[3560]
2単位 高山 俊夫 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 理工系大学生として必要な知識を深く理解するために学んでおかなければならない基礎科目の1つである「化学II」を原子・分子に着目することによって理解することを試みる。現在の言葉で言えば、ナノサイズの世界を創造できるようにすることが目標となる。概念で分かったと思っていても、実際理解し身についているかの繰り返しの自己学習が求められる。履修する前と後で結合・溶液・酸化還元・金属・固体・物質・材料の見方が違ってきたなあ!?と思わせるように講義する。本科目で化学の基本的素養を習得することによって、高学年の専門工学科目の履修ばかりでなく工学全分野での深い理解につなげます。
- <授業計画>
- 1:ガイダンス:「化学」とはなにか?何を求める学問なのか?のアンケートをとり、デイスカッションを行う。原子のおいたちについてのDVDを鑑賞する。
2:ボーアの水素原子模型:量子化学以前の原子の模型での原子像について、説明できることと出来ないことについて解説する。 3:元素の周期性:元素が無分別に存在しているのではなく、一定の周期性をもってある集団としてグループ化できることを理解する。メンデレーフの周期表を中心に講義する。 4:元素各論(1):sブロック、pブロック元素全般の説明を行ってから、最近のトピックスについてパワーポイントで解説する。 5:元素各論(2):dブロック、希土類元素全般の説明を行ってから、最近のトピックスについてパワーポイントで解説する。 6:イオン化ポテンシャル・電気陰性度:元素の周期性を基にして原子固有の特性を電子の偏りとしてとらえ理解する。このことから、化学結合や化学反応について考察する。 7:イオン結合:電気陰性度の相違から派生するイオン性結合について理解し、イオン結合の中心であるイオン性結晶の格子エネルギーについて理解する。 8:波動方程式・電子軌道の型:シュレデンガーの波動方程式が何故必要なのかを解説して、不確定性原理を理解し、最終的に電子の形は確率としてのみ扱われることを理解する。 9:共有結合:メタンの構造・性質を電子の軌道の重なりとして捉えることによって、イオン結合では説明できない化合物の結合・構造実体を説明できた共有結合について語る。簡単な有機化学について説明する。 10:分子軌道法:水素分子は存在するけれども、ヘリウム分子は何故存在しないのかを結合性軌道と反結性軌道を通して理解する。この方法で酸素分子が常磁性を示すことを理論的に証明する。 11:配位結合:ミョウバン中のイオンは溶液中で自由に動き回っているが、不対電子を供与することによって形成した配位イオンは一定の分子構造を保って溶液中に存在している。具体的にキレート化合物を説明し、有名なEDTA試薬について言及する。 12:錯体化学:配位結合の応用として混成軌道を説明し、磁気的性質、双極子モーメントなどの講義を行う。 13:有機化合物の応用:液晶、高分子材料、ゲル化剤、DNA等の概説を講義する。 14:無機化合物の応用:リチウムイオン二次電池、金属ナノ粒子、セラミックス等の概説を講義する。 15:学期末試験
- <成績評価方法及び水準>
- 定期試験80点、小テスト・レポート20点による総合評価。元素の周期性、元素各論、電気陰性度、イオン結合、電子軌道の型、共有結合、分子軌道法、無機化学、有機化学の基礎、が理解できれば合格(60点)。 適時、小テストを行うので、出席は必須条件である。
- <教科書>
- プリントを用いて講義する。理解を深めるために演習問題を解く。時間内に理解できなかったことを質問状として受け取り、次週に説明する。視覚に強く訴えるために、必要に応じてパワーポイントを使う。
- <参考書>
- 興味のある学生は「基礎からの無機化学」山村博、門間英毅、高山俊夫共著(朝倉書店)を参照されたい。
- <オフィスアワー>
- 原則、講義の前と後の時間が推奨される。また、毎回の授業中での質問・応答として対応する。
E-mail(takayt01@kanagawa-u.ac.jp)。
- <学生へのメッセージ>
- 学びのキーワード :元素の周期性、電子軌道の型、電気陰性度、イオン結合、無機化学、分子軌道法、共有結合、有機化学、どのようにして分子ができるの?どのようにして分子の形が決まるの?水に溶けたり、溶けなかったりする物質がどうしてあるの? 毎回授業に参加し、演習問題を解きながら理解を深めてください。暗記する必要はありません。期末試験は毎週授業のキーワードから出ます。
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