2007年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース

科学と宗教(Science and Religion)[4A07]

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2単位
田口 博子 非常勤講師

最終更新日 : 2009/10/28

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 古代ギリシアでは、不死の神に対して、人間は死すべきものと考えられていました。
 この無常観というべきものを体感する機会は、現代社会において激減していると言えるでしょう。ところが、身近な人の死に接する、あるいは自らの余命が告知されたとき、事態は一変します。そして、「亡くなった人は一体何処に行ってしまったのだろうか?」、「なぜ自分が死ななければならないのか?」などの疑問が止め処なく浮かんできます。
 古来より様々な宗教は、死後の世界について具体的な像を提示し、死の起源あるいはその意義について説明を施してきました。それは、信者の不安を払拭して、救いを与えるためです。しかしながら、今日このような見解をそのまま受け入れることが難しくなっているのも事実でしょう。
 本年度の授業では、まず世界の宗教において「死」がどのように取り扱われているかを概観したいと思います。具体的には他界観や再生(復活・死後の審判)、そして霊魂(輪廻転生)の諸問題をテクストに即して説明する予定です。また、世俗化がすすみ、宗教の支配圏が狭まった近代以降、世俗の学問である社会人類学・歴史学・哲学、そして自然科学がこの問題にどのように対峙してきたかにも目配りしたいと思っています。

<授業計画>
1社会人類学・文化人類学における「死」の研究
 1)イニシエーションにおける死と再生
 2)シャマニズムにおける脱魂・憑依と異界への旅
2中国の宗教
 1)<論語>における鬼神への態度
 2)道家の霊魂観と道教の他界観
3インドの宗教
 1)<リグ・ヴェーダ>における死者の赴く国
 2)ウパニシャッドにおける輪廻思想の萌芽
4仏教
 1)原始仏教における死後の存在(霊魂)への態度
 2)輪廻転生・解脱について
5日本の宗教
 1)山上・海上・地中他界観
 2)神話における他界観
 3)仏教における他界観
6ゾロアスター教
 1)ゾロアスター教における終末論
7ユダヤ教
 1)<旧約聖書>における「死」
 2)ダニエル書・エゼキエル書における黙示思想
8イスラーム
 1)<クルアーン>における最後の審判・復活・来世
 2)霊魂観
9ギリシア・ローマ時代
 1)ギリシア神話と叙事詩における「死」
 2)オルフェウス教における霊魂観
 3)ギリシア哲学における霊魂観
10キリスト教
 1)<新約聖書>における復活思想
 2)新プラトン主義とグノーシス思想の霊魂観
 3)中世神学と神秘主義における「死」
11近代
 1)機械論
 2)物活論と生気論
12現代 
 1)歴史学における「死」の意味
 2)哲学・精神医学における「死」の意味
 3)自然科学における「死」

<成績評価方法及び水準>
 授業の区切りごとに感想と意見をまとめた小レポートを提出していただきます。6割以上の小レポート提出を学期末のレポート(3000字前後)の提出資格とします。ただし、就職活動や(内定先の)実習等で出席が困難である場合は、予め相談してください。

<教科書>
随時プリントを配布し、参考書を指示します。

<オフィスアワー>
木曜日2時限終了後30分ぐらい(2限の教室か、非常勤講師控室)。

<学生へのメッセージ>
 まだまだ縁遠いテーマかもしれませんが、様々な宗教の見解をもとに、自分なりに考えてみたいという方の参加を期待しています。

 

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