2006年度工学院大学 教職課程科目

工業教育の研究B(Study of Industrial Education B)[9201]

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4単位
斉藤 武雄 非常勤講師

最終更新日 : 2006/05/30

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
(ねらい)
 わが国の公的職業教育において最大規模を構成している、高校工業教育の意義と役割を明確にし、拡充・発展の筋道を探る。具体的には、高校工業教育の直面している課題の分析を3つの視点(歴史、社会的基盤、諸外国の工業教育)で行い、現場教師の優れた実践記録の分析を通して、実践の道筋を明らかにする。また、戦後高校工業教育の歴史的な変遷を辿り、今後に受け継ぐべき内容と方法を検討する。
(達成目標)
 1.学校教育法第41条や青年の自立の課題に照らして、高校工業教育の意義と役割を明確に出来ること。2.今日の高校工業教育の課題の本質を分析できること。3.高校工業教育の拡充・発展の筋道を、実際の授業づくりなどに則して実践的に展望できること。

<授業計画>
1. 導入
2. 高校工業教育の概要と課題
 ・日本の高校教育における工業教育
 ・高校工業教育の課題
3. 工業教育の役割と目標
 ・歴史
 ・社会的基盤
 ・諸外国の工業教育との比較
4. 高校工業教育の教育課程
 ・教育課程
 ・学習指導要領
5.高校工業教育の実践記録の分析
・教科指導
・HR・行事指導
 ・進路指導
 ・学年・学校づくり
 ・地域との連携
6.高校工業教育の課題に応える実践方法
 ・学習観の転換=技術・労働の教育力
 ・労働観・職業観を育てる
 ・HR・行事・規律指導
 ・教育課程づくりの基本的な視点
 ・発達の節としてとらえる入学と卒業
 ・高校再編・学科再編
 ・定時制の工業教育
 ・工業高校の教師論
7.まとめ
  
※上記5と6は、聴講生が実践記録と課題を分担して、1人20分間の発表を行い討論する。

<成績評価方法及び水準>
 講義毎の小レポート、課題発表、最終試験を、60:20:20の重点配分で評価し総合評価が60点以上を合格とする。ただし、必要がある場合はレポートの提出を求める。現場教師として求められる資質の基礎を基に判断する。

<教科書>
 プリント等を使用(教科書を使用する場合は授業開始の際に指示する)

<参考書>
斉藤武雄他編『工業高校の挑戦』(学文社)、技術教育研究会『高校工業教育の復権』(同会)、技術教育研究会『すべての子ども・青年に技術教育を』(同会)、河野義顕他『技術科の授業を創る』(学文社)、斉藤武雄他『労働・職業・生活の学習』(大月書店)、原 正敏『現代の技術・職業教育』(大月書店)、堀内達夫他『専門高校の国際比較』(法律文化社)

<オフィスアワー>
E-mail(s.takesan@nifty.com)で対応するので遠慮なくどうぞ。

<学生へのメッセージ>
 高校工業教育は多くの課題を抱えているが、その課題に挑戦して高校教育そのものの展望を切り開く実践も少なくない。2週間の集中講義を通して、高校生と共に生きる工業高校の教師という仕事の魅力を掴んでもらえれば嬉しい。

 

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