2006年度工学院大学 教職課程科目
○教育心理学(Educational Psychology)[9046]
4単位 岩田 泉 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 本授業は、前半を現代教職論として、後半を教育心理学として構成する。
したがって、前半は教職に就く者として必要な「子ども理解の視点」を習得することを目的とする。 また、後半は「子どもの学習とその指導」について理解を深めることを目的とする。 具体的な達成目標として、「子どもについて発達的視点から説明できる」こと、「学習指導を子どもの個人差に応じて計画できる」ことをめざす。
- <授業計画>
- 第1週 「教師としての役割」
子どもや社会が教師に期待する役割を理解する。 教師自身の自己理解の重要性を認識し子どもに共感できる心構えを学ぶ。 第2週 「教師としての成長」 教師としての成長要因について学ぶ。 対人関係尺度からみた自己を理解する。 第3週 「子ども理解とは」 子どもの指導に重要である子ども理解の要因について学ぶ。 共感経験尺度からみた自己を理解する。 第4週 「子どもとは」 教育の対象である子どもについて学ぶ。 子どもという概念を理解し社会における位置づけと子どもの権利について学ぶ。 第5週 「家庭の理解」 学習の場としての家庭を理解する。 家庭の文化と子どもの行動の関係を理解する。 第6週 「児童期・思春期と学校教育」 児童期・思春期の子どもにとっての学級担任の意味を学ぶ。 また、心理発達の意味から633制などの学校教育システムを再検討してみる。 第7週 「現代の子どもの仲間関係とその問題」 同質性から異質性への変化を捉え、現代の子どもの仲間関係の問題点を把握する。 対人関係の促進者としての教師の役割を理解する。 第8週 「学習者中心の学級づくり」 相互指導や集団における学習の意味を理解する。 第9週 「学習者中心の学級づくり」 教師として効果的なコミュニケーションの方法や討議を促進する方法を学ぶ。 第10週「カウンセリングの理論」 教育相談の基礎としてのカウンセリングの理論を学ぶ。 特に、来談者中心カウンセリングの理論、交流分析の理論について学ぶ。 エゴグラムからみた自己を理解する。 第11週「カウンセリング実習」 教育相談の基礎として教師が身につけるべきカウンセリングの技術を学ぶ。 受容、共感、傾聴的態度など相談に必要な構えを実習してみる。 第12週「まとめと試験」 キーワード中心の試験を行う。 第13週「子どもの発達の理解」 発達とは何か、発達の理論、適時性や臨界期について学ぶ。 第14週「発達段階と発達課題」 発達を段階的に理解し、フロイト、ピアジェ、エリクソンらの発達理論を学ぶ。 第15週「愛着理とその障害」 虐待事例の回復状況から愛着形成の影響を学ぶ。 第16週「学習指導の心理」 人間はなぜ、どのように、何を学ぶのかを把握する。 第17週「学習指導の技術」 個人、対人、集団レベルの教授技能を紹介する。 また、多様なメディアを活用する授業について学ぶ。 第18週 「学習と授業形態」 一斉授業の問題点とそれを補うさまざまな授業形態の特徴について学ぶ。 第19週 「個性を生かす授業」 子どもの特性や個人差にどう対処するのか。指導法にはどのようなものがあるのか を紹介する。また、子どもの個性を生かす授業について学ぶ。 第20週 「学習への動機づけ」 外発的動機づけと内発的動機づけの関係を理解する。 学習の動機づけ過程の基礎について学ぶ。 第21週 「学習過程の理解」 わかることとはどのようなことか。 わかることを妨げる要因にはどのようなものがあるのかについて学ぶ。 第22週 「理解を深める」 学習方略の形成に教師の働きかけが影響し、理解を深めるにはどういう方法があるのか。 また、学習内容をよく記憶するにはどうしたらよいかについて学ぶ。 第23週 「学習の評価」 学習評価について学ぶ。特に、形成的評価の特徴と授業への活用について理解する。 絶対評価、相対評価、個人内評価、自己評価について理解する。 第24週 「まとめと試験」 キーワード中心の試験を行う。
- <成績評価方法及び水準>
- 試験結果に出席状況、授業時の課題か演習問題の結果を総合して評価する。60点以上に単位を認め、60点未満の場合は追・再試験を行う。追・再試験は80%正解で単位を認める。
- <教科書>
- 特に指定しない。
- <参考書>
- 授業時に必要に応じて紹介する。
- <オフィスアワー>
- 授業の前後に、非常勤講師室(12F)にて。メールは随時。
- <学生へのメッセージ>
- 自作プリントを配布、プリント中心に授業を進めるため、やむをえない場合以外は欠席しないよう留意してください。
夏期集中授業のため、他の集中授業と重複しないよう履修すること。 試験の日程は調整するが、決まった日程を優先すること。
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