2006年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科
○物理学及演習II(Physics and Exercise II)[2230]
3単位 加藤 潔 教授 [ 教員業績 JP EN ] 金 哲 夫 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 工学部における学習の土台の1つとして,物理学の基礎を学ぶ。物理学及演習IIでは物理学及演習Iの内容を受けて剛体の運動、熱力学、波動、流体力学、線形回路の扱いを学ぶ。
高校での物理学未習者がいることも考慮して基礎的なレベルから学んでいく。この科目では講義と演習が連動しながら進行する。講義で基本的な概念や定理を学習した後,演習で実際に手を動かして問題を解き,理解を定着させる。 以下の項目を習得することを目標とする。 (1)固定軸のまわりの剛体の運動を理解する。 (2)熱力学に現れる物理量(絶対温度、物質量、比熱、内部エネルギー、エントロピー等)の意味を理解すること。 (3)理想気体の状態方程式を利用して、気体の状態変化が扱えること。 (4)熱力学の第1、第2法則の意味を理解し、具体的な系に適用できること。 (5)流体力学の基礎的な概念を理解すること。 (6)波動現象の基礎的な概念を理解すること。 (7)オームの法則、キルヒホッフの法則を理解し、簡単な線形回路の解析ができること。
(前提となる基礎知識と修得後の展開) 本科目を履修する前に「物理学及演習I」などにより,基礎的な物理学の考え方,特に力学に関する考え方と方法を修得しておくことが望ましい。 本科目で修得した内容は,「物理学及演習III」,および,物理学の知識を基礎として要求する各専門科目の履修に役立つ。
(JABEE学習・教育目標) 「国際工学プログラム」 (C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎ JABEE基準1の(1)の知識・能力:(c)(d)の(1):◎
- <授業計画>
- (講義)
1. 剛体の運動。 前期の復習を行い,軸方向が固定されている場合の剛体の運動について学ぶ。 2. 熱力学(1)。温度と物質量。気体の状態方程式。気体分子運動論。 SI単位系の一部である,ケルビンとモルの定義を学ぶ。理想気体の状態方程式を学んでその応用を理解し,更に,分子運動論による導出を行い,次回の内部エネルギーの理解へつなげる。 3. 熱力学(2)。熱力学第1法則。気体の状態変化(1)。 (内部エネルギーの概念について学ぶ。仕事と熱はわかりやすい概念であるが状態量ではないことに注意して,第1法則を説明する。気体の定積,定圧変化を扱う。) 4. 熱力学(3)。熱力学第1法則。気体の状態変化(2)。気体の比熱。 前回に引き続き,気体の等温,断熱変化を扱う。マイヤーの関係式を導く。気体の比熱と内部自由度の関係を調べる。 5. 熱力学(4)。熱力学第2法則。熱機関。効率。 (熱機関の考え方を学ぶ。第2法則の各種の表現(効率,永久機関,トムソン,クラウジウス)の意味と相互の論理的関係を議論する。いわゆる「思考実験」による議論の手法を理解する。) 6. 熱力学(5)。エントロピー。 (エントロピーの概念の意義を理解する。状態量であることを利用して仮想的な経路によりエントロピーが計算できることを学ぶ。エントロピーの増大の原理を理解する。) 7. 熱力学(6)。エントロピーのミクロな定義。統計力学の初歩。 (前回マクロな立場から導いたエントロピーのボルツマンの式が同等であることを理解する。(準備として場合の数に関する議論を展開する。)) 8. 流体力学(1)。流体の物理量。浮力。ベルヌーイの定理。 流体の概念,流体に関する基本的物理量を学ぶ。浮力,ベルヌーイの定理について述べ,具体的な例(密度測定,トリチェリの法則,流速計など)を学ぶ。 9. 流体力学(2)。粘性流体。流体の基礎方程式。相似則。 粘性の概念について学び,ナビエストークスの方程式を概説する。レイノルズ数と層流・乱流の現象を学ぶ。 10. 波動(1)。波動の概念。波動方程式。正弦波。 媒質,縦波と横波,振動数・波長・周期・速度などの基本概念を学ぶ。波動方程式を導出し,波動の速度が方程式に現れる量から決まることを理解する。正弦波の干渉,うなりなどを学ぶ。 11. 波動(2)。屈折の法則。ドップラー効果。音波。 波動の屈折を,ホイヘンスの原理とフェルマーの原理から,それぞれ導出し理解を深める。音および光のドップラー効果について述べる。 12. 電気回路(1)。電流。オームの法則。キルヒホッフの法則。直流回路。 オームの法則,キルヒホッフの法則,線形回路素子,回路図の読み方について学ぶ。抵抗の直列,並列の合成則を学ぶ。簡単な回路の解析が出来るようにする。 13. 電気回路(2)。交流回路。インピーダンス。 交流の扱い。電力,複素抵抗,インピーダンスと位相のずれなどについてRLC回路などを例として学ぶ。
(演習) 1.-2. 物理学及演習I の講義の12.-13. の内容に対応する演習。 3.-13. 講義の1.-11.の内容に対応する演習。 (注:講義の12.-13.に対応する演習は物理学及演習IIIで扱う。)
試験期間に定期試験を実施する(講義および演習)
- <成績評価方法及び水準>
- 成績評価=A+B+Cとし,その値が60点以上の者に単位を認める。
A=期末試験の評価点(60点満点),B=予習課題,復習課題による評価点(20点満点)。C=演習課題による評価点(20点満点)。 「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。
- <教科書>
- 「理工系物理学講義」加藤潔(培風館)
演習問題はすべて英文であり,プリントを配布する。
- <参考書>
- 「物理学演習テキスト」 (学術図書出版)
- <オフィスアワー>
- 火曜4時限(八王子校舎1号館2階の物理実験準備室)
- <学生へのメッセージ>
- 担当者ホームページ(下記)に講義や試験などに関する連絡、講義資料や昨年度の試験問題などを提示している。オフィスアワー以外の担当者への質疑や面談の予約は電子メールで行なうこと。
- <参考ホームページアドレス>
- http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft82039/
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