2006年度工学院大学 第1部建築都市デザイン学科
建築法規(Architectural Regulation)[4D71]
2単位 三好 薫 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 私達が社会生活を営むということは、ありとあらゆるルールの中で生きているということである。
そして私達を取り巻く全ての環境(自然・都市・建築等)について、多くの法律や規制がある。 都市計画や建築に携わる者として多くの仕事(職域)があるが、大学を卒業して真っ先にぶつかるのが、法規制の壁である。あまりにも多くの事が様々な法規制となっていることに、驚き、そしてそれらを知らないと前に進む事が出来ない現実(実社会)とぶつかる。今日、建築基準法などに関連する事件が相次いでいるが、それもコンプライアンスだけを説いても、どのような法律や規則などがあるのかを知らなくてはなにもならない。 そこで私達はそれらの具体的法規制を知ると共に何故そのような法規制が必要なのか?その法律の意味について考えることが授業のねらいである。 特に建築基準法や都市計画法はその時代背景や経済状況によって変化するものであることも理解する必要がある。 具体的には社会に出た時により実践的に役立てる事が出来るように「1つの建築が造られるプロセス」を学ぶとともに「プロセスに応じた関連する法規」を理解する。そのことはそれぞれの職域に応じた法律を理解することでもある。
- <授業計画>
- 第1週:授業のガイダンス・授業の進め方・テキスト・5W1Hで問う・建築法規を学ぶ意味
建築と法規の関係・完成までの流れと法規関係・建築士法:国家資格
第2週:法令の基本中の基本を学ぶ!・法の分類・建築基準法の体系・建物は勝手に作れない 確認申請とは?・設計図の目的は?・建築基準法の歴史・建築基準法の構成、施行令の構成 規定の種別と区分・基準法目次で全体をとらえる(法令集目次) ・建築物を建てるための原則 ― 1 ・用語の定義・道路の定義・都市計画区域内と都市計画区域外
第3週:集団規定を理解する! (+ 小テスト) 都市について・建築物と道路の関係・道路の幅員による建築制限・ 都市計画法と建築基準法→地域、地区制・都市計画図を見てみよう→用途地域等 集団規定で規制する内容→用途制限、形態規制等
第4週:建築プロセス1・調査・分析・( 調査の種類と目的を掴もう!) 調査により、どのような法規制が関係するのか? ・建築物を建てるための原則 ― 2:用途地域と建築物・特殊建築物とは? ・建築物を建てるための原則 ― 3:規模、形態の制限・建築基準法で用いる面積の種類
第5週:建築プロセス2・企画 設計:建蔽率、容積率の制限 企画設計とは?:コンセプトメーキング+ボリュウム算定 形態規制を理解しなければ、どんな設計も不可能。 面積算定に関する演習:面積表を作ってみよう。
第6週:建築プロセス3・企画 設計:高さの制限 形態デザインに影響を与える規制: 高さの限度と建築物の各部分の高さ制限・高さの測定基準 高さに参入するもの、しないもの・階数と階
第7.8週:建築プロセス3・続き (+ 小テスト) 高さ制限の種類と内容1)道路斜線制限2)隣地斜線制限3)北側斜線制限 日影による中高層建築物の高さの制限 ・建築物を建てるための原則―4:形態制限 ・建築物を建てるための原則―5:構造の制限 都市計画・地域計画等:建設敷地の整備等・敷地の衛生及び安全・開発許可制度 第9週:建築プロセス4・基本設計→基本設計とは?:基本設計図 2つの構造→工法的構造と耐火、防火性能上の構造 法的視点からの設計フロー・平面計画、断面計画、使用材料における法規制チェック
第10週:建築プロセス5・基本設計 ステップ1:「シェル(殻)の設計」と関連法規 ステップ2:「居室配置と動線計画」と関連法規・避難規定が重要
第11週:建築プロセス6・基本設計 (+ 小テスト) ステップ3:「区画割(間仕切等)」と関連法規 ステップ4:「防火区画」と関連法規・4つの区画と防火戸
第12週:建築プロセス7・実施設計―実施設計とは?建物は安全で快適である必要がある。 部材の選定・特殊建築物の内装制限・耐火性能など構造の基準 排煙設備の設置義務・排煙設備の構造・その他意匠と係わる規制
第13週:建築プロセス8・実施設計― 構造強度(工事監理上でも最低限覚えておく必要有り) 設備関係法規 1)建築設備 2)換気設備 3)空気調和設備 4)密閉式燃焼危惧 5)エレベーター等 電気関係法規 1)非常用照明 2)消防法上の必要な設備 消防法(消防設備) 建築基準法と消防法の関係
第13週:建築プロセス9・各種申請:建築士法 1)近隣説明 2)事前協議 3)開発行為4)許可申請 5)確認申請 6)関連法規申請等 建築プロセス10・発注と受注 1)建設業法 2)発注方式 建築プロセス11・建設工事 工事現場の安全:建築基準法、労働安全法規等 建築プロセス12・監理業務・各種検査・消防検査(建築物使用前に必ず必要) 建築プロセス13・完成・使用開始 建築プロセス14・維持・管理・定期報告・住宅性能保証制度等
最後に 定期試験の内容等の説明
- <成績評価方法及び水準>
- 原則として定期試験による評価とする。60点以上の者に単位を認める。
ただし、試験の点数が50点以上60点未満の者でも3回の小テストを受けた者は、レポート提出を認め、レポート内容が単位認定相当と判断される場合には最終成績を60点とする。
- <教科書>
- 建築関係法令集「平成18年度版」井上書院他、基本建築基準法関係法令集であれば可
その他、オリジナル資料を授業の度に配布する。
- <参考書>
- 建築法規用教材:日本建築学会・建築申請メモ:新日本法規出版
- <オフィスアワー>
- 授業終了後適宜。
- <学生へのメッセージ>
- かなり忙しい授業になりそうですが、建築設計を志す学生には実践レベルでの法規がためになると思います。私の設計での失敗談等も交えて楽しい授業にしたいと思っています。
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