2006年度工学院大学 第1部情報工学科

数理統計学(Statistics)[2269]

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2単位
蒲池 みゆき 助教授

最終更新日 : 2006/05/30

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
「僕は社会科学上の一大発見をしたよ!」
「大げさだね。」
「人の収入は,その親が働いていたときの収入を中心に散らばっていると思う。」
「それで?」
「その子供の収入はその人の収入を出発点にしてまた散らばるから,貧富の差が段々と拡大されるんだ。水に落とした絵の具が全体に散らばるようにね。これは必然的な法則なんだ。」
「似たようなことで,違う結果が出されているよ。昔の有名な話しなんだけど,イギリスの生物学者のガルトンが,親の身長とその子供の身長を調べたんだ。」
「僕の考えだと,人類の身長はどんどん拡散されることになるのか……。」
「ガルトンの調査結果では,平均より背の高い人のグループを選んで,その子供達の平均身長を調べると,親の平均身長ほどには高くないっていうことさ。逆に平均より低い人の子供の平均身長も,親ほどには低くない。背の高い人のグループも低い人のグループもその子孫は平均に戻っていくことになるのさ。これは回帰現象と名付けられているんだ。回帰現象の効果で,人類の身長はいつの時代もほぼ一定に保たれる。そして親の身長から子供の身長を予測する式を回帰式っていうんだ。」
「……。大発見って,難しいなあ。」
「……,でも,君がもう少し前に生まれていたら,君の回帰現象を発見したかも知れないね。」
*   *   *
 観測された少ないデータから,対象についての様々な特徴を推定する理論と方法を理解することが統計学の目標である。そのため,ベーズの理論,確率密度関数,正規分布と中心極限定理,カイ2乗分布とt分布,仮説検定,区間推定について学ぶ.

<授業計画>
1. 母集団分布と標本平均,標本分散
2. 大数の弱法則
3. 不偏分散
4. 最尤推定とベイズの理論
  ―推定値から観測値か,観測値から推定値か
5. 回帰直線の導出
  (線形回帰)
6. 正規分布の形と平均
7. 正規分布の分散
8. モーメント母関数
9. 中心極限の定理
10. 正規分布から派生する実用上の分布
  (カイ2乗分布)
11 正規分布から派生する実用上の分布―その2
  (t分布)
12. 「95%の信頼度で,降雨確率は34.0±1.3%であるといえる!」傘は要るかどうか?
  (区間推定)
13. 仮説検定
14. 定期試験

<成績評価方法及び水準>
学期末テストを評価する。

<教科書>
授業中にプリントを配布し教科書とするが、その内容は高橋静昭先生のホームページからダウンロードすることが出来る。

<オフィスアワー>
後期火曜日授業終了後3時間目,八王子校舎1号館講師控室

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ct66093/

 

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