2006年度工学院大学 第1部環境化学工学科
○化学II(Chemistry II)[4411]
2単位 河野 博之 助教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 環境問題とは、我々の身近に現れた化学の問題であるといえる。環境に関わる化学の応用的側面に重点を置いて授業する。さらにその背後にある基礎的原理を身につけることもねらいとする。
以下に具体的な達成目標を示す。 1)無数にある有機化合物を分類し、それぞれの特徴を理解する。 2)人類社会を構成する物質の種類(高分子材料・無機材料・複合材料)とそれぞれの性質を知る。 3)生命を構成する生体物質について理解する。 4)地球環境を構成する物質の循環と蓄積について理解する。 (JABEE学習・教育目標) 「環境化学工学プログラム」:(D)◎ JABEE基準1の(1)の知識・能力:(c)○
- <授業計画>
- 第1週:授業計画の説明、飽和炭化水素化合物、炭素骨格の命名法
第2週:不飽和炭化水素化合物、異性体の分類 第3週:有機化合物の官能基とその性質 第4週:有機化合物の合成と反応 第5週:高分子の分類、重合の種類と方法 第6週:高分子材料の分類と特徴 第7週:無機材料の分類と特徴 第8週:複合材料の分類と特徴 第9週:生命の化学、からだの成分、栄養素 第10週:遺伝情報と分子、核酸とタンパク質 第11週:環境の化学、生態系と物質循環 第12週:環境と化学物質、環境汚染の化学的理解 第13週:分析化学、物質の組成と構造の研究法 第14週:定期試験 毎回、課題を与えるとともに、演習問題を解く。
- <成績評価方法及び水準>
- 原則として定期試験(100点)で評価する。授業中に課した演習問題の成績良好者には、定期試験の得点に演習問題の成績に応じて最大20点まで加点した上で、それらの合計が100点を越えないように規格化した評価点で評価する。評価点が59点以下のものに対して、さらにレポートの提出を課す場合もあるが、レポート内容が単位認定相当と認められる場合の評価点は60点となる。
- <教科書>
- 講義の際に配布する資料と演習問題集を用いて授業する。教科書は指定しない。
- <参考書>
- 「第3版 化学−物質・エネルギー・環境」浅野努・荒川剛・菊川清・榊原邁著 学術図書出版社
「化学 基本の考え方を中心に」A. Sherman, S. Sherman and L. Russikoff著 石倉洋子・石倉久之訳 東京化学同人 「実感する化学(上下)」A Project of the American Chemical Society 廣瀬千秋訳 エヌ・ティー・エス 以上の三編には、環境やエネルギー、生命などの社会問題化した事柄が、化学の観点から説明されている。これらの本にある化学知識は、我々「社会人」の基本常識であると考えてよい。逆に言えば、それら化学の基礎知識を無視した社会問題の議論は単なる空論であるといえる。マスコミや風聞に惑わされない自立した社会人を目指す学生諸君に一読を薦める。 その他の参考書は講義の際に紹介する。
- <オフィスアワー>
- 特に指定しない。授業の前後に講師室に在室しているとき、および研究室在室中(八王子4号館4-105号室)には、質問や相談を歓迎する。但し、常に研究室に在室しているとは限らないのでE-mailを利用するか、来室を事前に連絡すること(ft13023@ns.kogakuin.ac.jp)。
- <学生へのメッセージ>
- 化学Iの内容を身に付けた諸君は、化学IIを理解するのにさほど困難は無いでしょう。化学の応用的側面は一見複雑に見えますが、基本的な化学知識の積み重ねで理解できます。我々の生活と化学との深い関わりについて、実例を挙げながら説明していきます。
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