2006年度工学院大学 第1部機械工学科

現代社会と法(Law and Modern Society)[1105]

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2単位
井上 知樹 非常勤講師

最終更新日 : 2006/05/30

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 歴史感覚の習得、時代感覚の練磨、個人尊重の価値観の練成、人権感覚の涵養、及び、そもそもの前提として文章の読解力と表現力の鍛錬。

<授業計画>
一、ガイダンス・オリエンテーション
二、近代史
   市民革命・夜警国家(近代社会)
   国家からの自由
   人権主体としての自律性・自主性・主体性
三、現代史
 福祉国家(現代社会)
   国家による自由
   行政国家化と豊かな社会(組織資本主義)
四、現代社会の構造(1):何故社会が我々を圧迫するか
社会とは何か
   組織化・官僚制化・寡頭制化
   受け手と送り手の分離・固定化
   他律的な受け手(他人に〜してもらいたい、〜して欲しい、panem et circenses)
五、現代社会の構造(2):どのように社会が我々を圧迫するか
現代家族論(CA・DV)
 組織・集団の内部関係(1)
組織・集団の内部関係(2)
組織・集団の外部関係
   関連する最高裁判例の紹介・検討 
六、個人が組織・集団に対抗するために
   裏切りの美学(whistle blower)・情報公開(disclosure)・
                      監視(ombudsman)・NGOやNPO(association)

 以上をキーワードとして授業を進めていく予定です。

<成績評価方法及び水準>
 授業への出席を単位認定のための前提とし、期末に実施される筆記試験を基準にして期中に数回課されるレポートを加味し、以上を総合的に勘案して60点以上の者に単位を認める。委細については期首の授業時に説明するので、必ず出席すること。

<教科書>
 特に指定することはせず、期中に数回課されるレポート時に参考文献を配布する。

<オフィスアワー>
 授業の開始前又は終了後に、講師控室にて。

<学生へのメッセージ>
 現代社会は我々にとって非常に生きにくい社会であると言われています。学校においても就職した職場においても、我々は受忍限度ギリギリのストレスを抱え込んでいます。そうした中にあって、我々は、その生理現象として突発的にキレるか、或いは、社会から自室の中に引きこもるか、それとも、休日にバカ騒ぎして、自己保存を図っているように思われます。しかし、そのような反応は極端且つ偏頗にすぎると言わざるを得ないでしょう。だからといって、極端過剰に陥らないために自己の多感な良心や赫赫とした正義感を鈍磨させてしまい、長いものに巻かれる事大主義に陥って、人生の晩節を汚している大人達のようになっても困ったものです。従って、各個人には心理的に微妙な均衡を図る妙技が要求されてくるでしょう。そこで、本講義では、諸君が社会で生きていくための見取図を提供したいと考えています。  まず、我々の生きている現代社会が形成されてくるに至った歴史の経過を概観し、次に、現代社会の構造を分析して実相を描出したいと思います。その際、社会(家族・組織・集団)から個人に加えられる圧力(社会と個人との対抗関係)に焦点を当て、若干の紛争事例(裁判例)を見ていきます。然る後、社会に対して個人の力を復権させるための方策を検討します。人間とは「人の間にあると書く」という常識に抗ってでも個人の権利・自由にこだわることの意義を、“human”であるための条件を、考えていきたいと思います。  学生諸君には、各々がこの見取図や方法を自己の経験と思索によって発展変容させて活用し、社会の中で昂然且つ躍如として生き活躍することを期待しています。

 

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