2005年度工学院大学 第1部建築学科 建築学コース

生物学概論(Introduction to Biology)[5504]

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2単位
泉 進 非常勤講師

最終更新日 : 2005/05/25

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 20世紀中頃に遺伝子の本体がDNAという化合物であり、その分子構造が遺伝子としての機能を果たすのに最適であることが示された。それ以降、生物学ならびに生命科学は驚くほどの速さで発展してきた。人間は一種の動物であり、人間を理解するためには生物学の概略を知る必要がある。将来、自分の専門分野が現代生物学とどのように掛かり合うかを知ることは大切であり、またその時にこの授業が役立つように授業内容を選定した。
以下に具体的な達成目標を示す。
(1)細胞の構造ならびに機能について理解すること(2)遺伝情報の発現過程を理解すること(3)有性生殖と胚発生について理解すること(4)生体防御機構について理解すること(5)生命科学の最先端技術を理解すること(6)生命の起源について理解すること。

<授業計画>
1.[ガイダンス]生物と生物学(生物の特質について、生物学の方法)
2.[細胞]細胞は生命が宿る空間である。細胞の概念、原核細胞と真核細胞の相異、細胞の構造について学ぶ。
3.[細胞の化学成分1]細胞を構成する比較的低分子の化合物の構造と機能について学ぶ。
4.[細胞の化学成分2]細胞を構成する高分子化合物であるタンパク質の構造と機能について学ぶ。
5.[遺伝1]DNAは生物のからだの設計図である。DNAの基本構造について学ぶ。
6.[遺伝2]DNAの遺伝情報は複製により子孫の細胞へ伝えられる。DNAの複製機構について学ぶ。
7.[遺伝3]DNAは常に細胞の中で機能している。DNAが持つ遺伝情報の発現過程について学ぶ。
8.[生殖と発生]有性生殖の利点ならびに胚の発生の基礎について学ぶ。
9.[生体防御]免疫応答、抗体産生、BとT細胞および体液性免疫と細胞性免疫について学ぶ。
10.[アレルギー]アレルギー発症のメカニズムおよびアレルギーの予防法について学ぶ。
11.[遺伝子操作技術1]遺伝子組み換え実験の基礎について学ぶ。
12.[遺伝子操作技術2]遺伝子操作技術の応用ならびにその安全性について学ぶ。
13.[生命誕生]生命は原始地球においてどのようにして誕生したのか。生命の起源について学ぶ。
14. 定期試験

<成績評価方法及び水準>
 原則として、定期試験で最終成績を評価、60点以上の者に単位を認める。ただし、試験の点数が50点以上60点未満の学生でも講義内における小テストあるいは指定したレポートの内容が単位認定に価すると判断される場合には最終成績を60点とする。

<教科書>
教科書は指定しない。授業内容にあわせて作成した資料を配布する。

<参考書>
B. Albertほか著、中村桂子ほか訳「Essential細胞生物学」(南江堂)、矢田純一著「アレルギー」(岩波新書326)、岡田節人著「からだの設計図―プラナリアからヒトまで―」(岩波新書358)

<オフィスアワー>
金曜日5時限の授業終了後に教室で。

<学生へのメッセージ>
 生物学についての基礎知識は必要ない。理解を容易にするため図表のプリントを豊富に用意する。疑問点があれば活発にどんどん質問をすること。質問に回答したり学生間で討論を交わしたりすることにより授業を進めることも可能である。復習と勉学に励み現代生物学の基礎知識と流れをしっかりと身につけてほしい。

 

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