2005年度工学院大学 第1部建築学科 建築学コース
線形代数学I(Linear Algebra I)[4221]
2単位 松井 鉄史 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 工学の対象は、巨視的には有限個、微視的にはほとんど無限個のモノの集まりと言えます。「有限」に関する数学が線形代数学、「無限」に関する数学が微分積分学です。この二つを基礎とし数学の諸分野が発展し、それらが工学に応用されています。
この講義では「有限」に関する数学である線形代数学を学びます。有限個のモノが成す「構造」を理解するための手段を習得することが目標です。具体的には、数ある構造の中でも最も基本的な「線形構造」を学びます。線形とは比例を一般化した概念です。モノとモノとの関係は大まかには比例関係とみなせる場合が多いことから、それらのデータを整理・算出する際に線形代数が有効です。
- <授業計画>
- 具体的な計算を通じて線形性を理解します。(カッコ内は理解して欲しい事柄)
第1回 ガイダンス(どういうことを学ぶのか) 第2回 行列の演算(数の演算と同じこと・違うこと) 第3回 行列による表現(行列を使うと方程式の構造がよくわかる) 第4回 行列式(1次連立方程式の解をよく見るときれいな規則性がある) 第5回 行列式の計算(1次連立方程式の解の基である行列式の計算のサボり方) 第6回 行列式の計算(引き続き行列式の計算のサボり方) 第7回 逆行列(掛けると「1」になる行列の役割) 第8回 掃き出し計算法とランク(1次連立方程式はその係数だけが問題) 第9回 2次元数ベクトルと図形(図形の面積は「ホネ」の行列式で求まる) 第10回 3次元数ベクトルと図形(図形の体積は「ホネ」の行列式で求まる) 第11回 一次結合・従属・独立(「本質的なホネ」とは何か) 第12回 演習 第13回 演習 第14回 試験 (後期、線形代数学IIへと続く)
- <成績評価方法及び水準>
- 試験は100点満点中60点以上を合格とします。内容は教科書の例題や練習問題(8割)と実力を試す応用問題(2割)からなる予定です。よって少なくとも教科書にある例題や練習問題および下記の「確認シート」については授業で触れていない個所についても触れておいてください。
毎回、授業内容の復習となる問題を「確認シート」として配布し、その解答を下記のホームページに掲載します。これは各人の理解を助ける補助的なもので成績評価とはほとんど無関係ですが、深い理解や努力が表れているものに対しては例外として評価の対象とすることがあるので次回、提出してみることをお勧めします。
- <教科書>
- 難波誠「線形代数12章」日本評論社
- <参考書>
- (基礎)石村園子「やさしく学べる線形代数」共立出版
(発展)G.ストラング「線形代数とその応用」産業図書 (演習)三宅敏恒「入門 線形代数」培風館 その他、線形代数の本はたくさんあるので気に入ったものを参考にしてください。
- <オフィスアワー>
- 下記のホームページの「スケジュール」を参照。
- <学生へのメッセージ>
- 学費の元を取れるように。
- <備考>
- この科目に関する詳細は下記のホームページに掲載します。
- <参考ホームページアドレス>
- http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13048/
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2005 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|