2005年度工学院大学 第1部建築学科 建築学コース

物理学実験(Experiments in Physics)[3419]

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1単位
幸村 孝由 講師  
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渡部 隆史 助教授  
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最終更新日 : 2005/05/25

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
大学で初めて、物理学実験・化学実験をするという学生がいるかもしれない。特に、物理学実験をしたことがない学生が多いと思われるが、大学で理工学を学ぶということは、講義で理論を学び演習で理論を応用するだけではなく,実験を通して理論の検証・発展を実際自分の手でやってみる(経験・実践する)ことが非常に重要である

物理学実験の授業では,基本的な物理事象を用いて,講義、演習、実験の3要素の中の実験について基本的理解・実践を行うことを目的とする。そのためには,基本的な理論を理解することに加え,

     ●測定装置の構造の理解,適切な使用
     ●正確な実験の実行
     ●データ(特に誤差,精度)の正しい理解
     ●必要事項をすべて網羅しかつ無駄のない実験レポートの作成

の4項目を習得することが必要である。この4項目のうち、実験レポートをまとめることは、実験の理解を深めることにもなり、また、実験レポートを書いたことがない大学1年生を対象とした授業ということもあるので、特に実験レポートを書くことができるようになることに重点をおく。次の、 <授業計画> に示す実験テーマごとに実験レポートを提出してもらい,各実験そのものだけではなく,実験とは何かを理解していく。最終的には,実験について何も知らない読者が初読で追実験を行うことができるレベルの実験レポートをまとめることができるようにする。

<授業計画>
<第1週>実験の概要説明
<第2、3週>実験テーマ0:ノギスとマイクロメータ
      (誤差の取り扱いと解説,レポート作成の基本説明)
<第4〜11週>
 ●実験実践の理解
  実験テーマ1: 粉粒体の密度測定
  実験テーマ2: 重力加速度の測定
  実験テーマ3: 弾性率の測定
 ●実験装置の理解
  実験テーマ4: 光の回折による微細構造の測定
  実験テーマ5: 熱電対の校正
 ●物理量の測定
  実験テーマ6: 気体の励起エネルギーの測定
  実験テーマ7: 電磁コイルの特性測定
  実験テーマ8: 磁性体の磁気的特性の測定
<第12週>レポートの修正
<第13週>予備日

<成績評価方法及び水準>
9つの実験テーマごとに提出する実験報告レポートによって成績を評価する。実験は、テーマ0〜8まであり、計9つの実験を行ってもらう。
テーマ0の実験報告レポートでは、

1. 概要
2. 実験結果
3. 解析結果
4. 考察

の計4項目についてレポートで報告してもらい、これら4項目について、それぞれ3段階(0〜2点)評価を行う(計8点満点)。さらに、物理内容について2点満点の評価を行う。したがって,テーマ0では10点満点となる(評価点A)。

ほかの1〜8テーマについては、

1. レポートの概要
2. 物理学的動機
3. 実験方法・実験理論
4. 測定結果
5. データ解析
6. 考察

の計6項目についてレポートで報告してもらい、これら6項目について、それぞれ3段階(0〜3点)評価を行う(計18点満点)。さらに、物理内容について2点満点の評価を行う。したがって,テーマ1〜8では合計160点満点となる(評価点B)。
以上の評価点Aと評価点Bによって、

(評価点)=(評価点A)+3×(評価点B)÷2

の250点満点に換算し、これを100点に規格化して成績を評価する。ただし,9テーマすべてについて,レポートが提出されていることを必要条件とする。
また、研究報告には「早い者勝ち」的なところがある。したがって、どんなに小さな実験であっても、どんなに基本的な実験であっても、速やかにレポートをまとめる訓練を今から始める必要がある。そういったわけで、レポートの締め切りについては厳しくするつもりでいる。

<教科書>
「物理学実験」(学術図書出版:工学院大学物理学教室編)

<オフィスアワー>
火曜日11:10〜12:30 (八王子校舎1号館208室)

<学生へのメッセージ>
講義のことに関する質問は大歓迎です。オフィスアワー以外で質問に来る際には、電子メール(ft13049@cc.kogakuin.ac.jp)で連絡のこと。

<備考>
授業計画では、0〜8までの9つの実験テーマについて皆さんに実験を行なってもらうと記載してあるが、講義の進行状況等によっては、1〜9のテーマのうち、少なくとも、どれか1テーマについては実験を行なわず、最大で合計8テーマ分のレポート内容を基準に成績の評価を行なうことがある。

 

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