2005年度工学院大学 第1部建築学科 建築学コース

倫理学の基礎(Basic Ethics)[1407]

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2単位
岡田 大助 非常勤講師

最終更新日 : 2005/05/25

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
日本倫理思想史上の主要なテキストを通じて、倫理学の基本的な考え方を学ぶ。
「達成目標」 (1)倫理とは何か、(2)人間とは何か、(3)私とは何か、という問いについて、過去の思想家との対話を通して、自分の言葉で答えられるようにする。

<授業計画>
1.ガイダンス 「倫理学」とは何か −和辻倫理学を手掛かりに−
2.和辻哲郎の倫理学(1)間柄
3.和辻哲郎の倫理学(2)人間存在の空間性と時間性
4.和辻哲朗の倫理学(3)信頼と真実
5.和辻倫理学まとめ 中間試験 
6.伊藤仁斎の倫理学(1)人倫日用の道
7.伊藤仁斎の倫理学(2)仁義と忠信
8.伊藤仁斎の倫理学(3)忠恕と自然
9.伊藤仁斎の倫理学まとめ
10.親鸞の倫理思想(1)他者への愛のつまずき
11.親鸞の倫理思想(2)三願転入論
12.親鸞の倫理思想(3)韋提希、阿闍世論 
13.親鸞の倫理思想(4)提婆達多と仏性論

<成績評価方法及び水準>
「達成目標」に達しているかを問う中間試験(20点)と定期試験(80点)によって成績を評価、60点以上の者に単位を認める。試験では(1)思想家の考えの要約、(2)自分の考えを自らの言葉で具体的にかつ根拠づけて示すこと、の二点について、その優劣を段階的に評価する。なお、成績評価の詳細については、第一回目の講義でより具体的に説明するので、必ず出席すること。

<教科書>
なし。プリントを配る。

<参考書>
片山洋之助、佐藤正英編『チャート式新倫理』数研出版(導入的な参考書として)
和辻哲郎『人間の学としての倫理学』岩波全書
相良亨『伊藤仁斎』ぺりかん社

<オフィスアワー>
授業の前後、教室または講師室にて

<学生へのメッセージ>
倫理学とは、人間とは何かを問うものですが、人間には私が含まれる以上、私とは何かという問いを離れて論じることはできません。したがって、数学的な意味での客観的な解答はなく、皆さん一人一人が主体的に考えなければならない問題です。しかし、学とは対話によって真理を明らかにしてゆくことであり、自ら一人に閉じているのでもありません。本講義では、自分一人で考えるのではなく、過去の思想家の考え方を学び、その思想と対話することで、自分の考えを引き出し、倫理を求めて行きます。

 

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