2005年度工学院大学 第1部環境化学工学科

比較政治論(Comparative Politics)[4443]

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2単位
小野  一 助教授  
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最終更新日 : 2005/05/25

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 現代政治の変容と新しい問題状況について、比較論的手法を用いて理論的・実証的に分析する。
 学期の前半では、エコロジー、フェミニズムなどに代表される新しい社会運動が西欧先進国の政治的アジェンダを大きく変えたことを示すとともに、そのようなテーマの顕現が依然として希薄な日本政治の特殊性に言及する。後半では、近年の日本の地方政治における開発と環境に関わる問題を、各地で展開された住民投票運動を切り口として検討する。
 いずれのパートでも、まず理論的ワク組みを提示した後、事例比較を行う。本講義の目的は、単なる知識の詰め込みではなく、社会科学で多用される分析方法の実演により、受講生の柔軟で多面的な思考能力を増進することにある。成績評価もこのような観点からの到達度評価である。

<授業計画>
1.イントロダクション
2.ニュー・ポリティクスと政党政治の変容
  2.1.理論編
      ・「物質主義」と「脱物質主義」:価値観の変動に関する理論的説明
      ・経済成長思考の問い直し、リスク社会への視座
  2.2.事例比較:西欧先進諸国における政党政治の再編成
      ・ドイツ:緑の党の登場の衝撃とそのシステム定着
      ・フランス:ラディカルな改革運動の意義と限界
      ・スウェーデン:福祉・環境大国の普遍と特殊
      ・日本:政界再編成、されど・・・
3.地方自治における開発と環境:住民投票運動に注目して
  3.1.理論編
      ・地方分権:政治改革の決め手となるか?
      ・住民投票:地方自治における住民の自己決定権の理念と現実
  3.2.事例比較
      ・原発を拒否した住民パワー:新潟県巻町
      ・基地の島・沖縄の県民投票
      ・問われる大規模公共事業のあり方:徳島市・吉野川可動堰住民投票
      ・その他の事例
4.期末試験

<成績評価方法及び水準>
授業期間中に小レポートを適宜実施する。最終的な成績は学期末の教場試験を主たる評価基準とし、平常点を含む総合評価において60点以上を獲得した場合に合格とする。詳細は初回講義時に説明する。

<教科書>
使用しない

<参考書>
賀来健輔/丸山仁編『ニュー・ポリティクスの政治学』(ミネルヴァ書房、2000)、畑山敏夫/平井一臣編『実践の政治学』(法律文化社、2004)、今井一『住民投票』(住民投票、2000)、他

<オフィスアワー>
八王子校舎1号館314号室:木曜日5時限目(前期)、木曜日昼休み(後期)
新宿校舎27階2744号室:水曜日17〜18時(後期は19時30分以降も可)
上記以外にも、事前に協議の上で研究室来訪の日時を予約することができる。休暇中は必ず事前に予約した上で来室すること。

<学生へのメッセージ>
 この講義でも、書物を批判的に読み、自分の頭で考えるというプロセスを重視する。後半部分での日本の住民運動の比較は、今回初めて取り上げる教材である。いずれの場合にも、ふつうの人々が地域の問題に取り組む中で、困難を克服し、市民社会の担い手として成長を遂げていく姿がある。地方(自治)の問題を単なる制度的可能性の問題としてとらえるのでなく、実際にそれを使って市民が政治に参加し、社会を変えていっている現実に注目したい。そこに、今日の政治の閉塞状況を脱する何らかの可能性を見いだしたいものである・

 

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