2005年度工学院大学 第1部国際基礎工学科

環境と開発(Environment and Development)[6266]

[試験情報を見る]

2単位
西村 隆夫 非常勤講師
 

最終更新日 : 2005/05/25

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 江戸時代における環境共存の事例に代表されるように、我が国でもかつては、自然との共生を重視した良好な循環システムが保たれていた。しかしながら戦前では富国強兵策、戦後では経済優先策の下での急激な工業化を推進した結果、ことに高度経済成長期には産業活動に起因する様々な環境破壊が全国規模で噴出した。90年代に入ると、これら地域開発と環境破壊、都市交通問題に加え、化学物質による環境汚染、放射性廃棄物の処分等の国際的スキームで対処されるべき廃棄物処理問題も浮上、環境問題は一層、多様化・複雑化の度合いを深めつつある。
 「京都議定書」が発効した今日、本講義では「持続的経済成長」と「地球的環境問題への対処」、「国境を超えた廃棄物リサイクル」、「核拡散条約と放射性廃棄物問題」、エネルギー産業が逢着している「トリレンマ(規制緩和、地球温暖化対策、産業競争力確保)」といった今日の二律背反的政策課題について、政治経済学的視点から取り上げてみたい。我が国の環境産業政策の沿革と課題については、戦前に加えて戦後を「戦後復興期(1945〜54年)」、「高度経済成長期(1955〜73年)」、「安定経済成長期(1974〜)」に区分し概観する。
 経済発展を最優先する途上国では、生態系を無視した開発による環境破壊が問題化している。資源の有限性を踏まえた開発のあり方について考察することとし、開発についてはマクロ的視点とともにダム開発当を例に取り上げ、環境とリスクのアセスメントなどミクロな手法についても解説したい。

(JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」
(B) 技術者倫理の習得:○
(F) デザイン能力とマネジメント能力の習得:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力: (b):◎ (a) (g) (h):○
JABEE基準1の(1)の知識・能力: (d)の(2)c)d) (e) (g) (h):◎ (a) (b) (c) (d)の(2)b) (f):○

<授業計画>

担当者: 桜美林大学・大学院教授/東京大学先端科学技術センター客員研究員 西村隆夫
     前 国際協力事業団 鉱工業開発協力部 次長 田中隆則
===============================================
 
 1.環境産業政策の沿革と課題(西村担当)
  (第1回)戦前・戦後復興期、高度経済成長期
  (第2回)安定経済成長期
  (第3回)今日的政策課題
 2.環境・資源制約と開発(田中担当)
  (第4回)成長の限界
  (第5回)持続可能な開発
 3.エネルギー問題と地球温暖化対策(西村担当)
  (第6回)化石燃料消費と地球環境問題       
  (第7回)地球温暖化対策のパワー・ポリティックス
  (第8回)「京都議定書」達成に向けた省エネ・新エネ対策          
 4.国境を越える廃棄物処理問題(西村担当)          
  (第9回)廃棄物処理と越境リサイクル問題
  (第10回)原子力発電所からの放射性廃棄物問題                     
 5.環境問題とリスクのアセスメント(田中担当)
  (第11回)リスク評価と規制
  (第12回)環境アセスメント手法
  (第13回)ダム開発のためのガイドライン
 6.途上国開発協力と環境問題(田中担当)
  (第14回)ODAにおける開発問題への取組

<成績評価方法及び水準>
 各回の授業の「概要」を記し、それについて「批評・対案の提示」を加える(各回、A4版1〜2頁(添付資料は除く)タイプ打ち)。「批評・対案の提示」に当たっては、授業の内容を批評するとともに、対案を提示すること(根拠となる出典があれば添付)。なお、授業において具体的な課題が提出された場合には、その解答を提示すること。
 成績評価:宿題全14回の合計点(中間・期末テストなし)

「国際工学プログラム」の学習・教育目標(B) および(F)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

<教科書>
特になし

<参考書>
石井邦宜 監修「20世紀の日本環境氏」(社)産業環境管理協会 2002
畠山武道、大塚直、北村嘉宣「環境法入門(新版)」日本経済新聞社 2003
西村隆夫「日本のエネルギー産業:政治経済学の支店から見た規制緩和と環境への影響」同友館 2002

<オフィスアワー>
オフィスアワーは特に設けないが、授業において各講師が連絡方法について通知する。

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2005 Kogakuin University. All Rights Reserved.