2005年度工学院大学 第1部機械システム工学科
工業材料(Engineering Materials)[4377]
2単位 鈴木 韶也 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 工業材料とは、人の営みの為に必要な様々な工業製品に用いられている材料で、規格に基づいて多くの約束の下に作られている材料の総称です。現代にあっては、機械材料といっても過言ではないでしょう。 私達にとって、どちらかと強いて言えば、設計は仮想空間(CYBER SPACE)での作業、材料は現実空間(REAL SPACE)での作業、にその主体性があります。
しかし、相方共に研究(R)する/開発(D)する、と云う意味合いでは、作ろうとするモノが機能し、故障しない(破損、破壊しない)という観点からは、想像する(考える)、具現化する(姿、形にする)という高度の概念を持ち合わせることが必要となって来ます。 この様に設計と材料とは、図面のように切り離せない相関関係(DUALITY 相補性)にあります。 この授業では、工業材料としての、種類、性質、力学的特性、性能評価、生産技術としての加工性、等について学び、これらを通して材料の基礎を学ぶことにより、その基礎的な部分を培うことにその主眼を置いています。工業材料を勉強することは、設計を違った角度から勉強することを意味します。逆も真なりです。人は今迄に、その営みの為に何を作って来たのか、お互いに考えながら授業を進めたいと考えています。
(JABEE 機械システム基礎工学プログラムの学習・教育目標);(D):◎、(C):○ (JABEE 基本キーワード);材料の力学的性質、工業材料の種類、工業材料の性質、性能評価、加工法、等。 (JABEE 個別キーワード);応力とひずみ、機能による分類、組成による分類、力学的特性、機能的特性、材料試験法、等。 (前提となる基礎知識と習得後の展開);本科目を履修する前に、「材料の基礎」を履修しておくと良いでしょう。
履修後の展開として期待されることは、機械を「設計」する段階で、「材料」を常に考慮しながら「設計」しなければならない、と言うことに気がつく様になるでしょう。
- <授業計画>
- (予定 年/月/日 毎木曜日)
1)「ガイダンス」 2005/09/15 …………… 2)「機械材料総論」 09/22 練習問題(1) 3)「材料の微視構造」 09/29 練習問題(2) 4)「合金とその組織」 10/06 練習問題(3) 5)「熱処理の基礎」 10/13 練習問題(4) 6)「材料強度の基礎」 10/20 練習問題(5) 7)「材料試験」 10/27 練習問題(6) 8)「鋼鉄材料」 11/10 練習問題(7) 9)「非鉄金属材料」 11/17 練習問題(8) 10)「高分子材料」 11/24 練習問題(9) 11)「セラミックス材料」 12/01 練習問題(10) 12)「複合材料」とその「材料設計の方法」 12/08 練習問題(11) 13)「機能性構造材料」と「新材料概論」 12/15 …………… 14)「期末試験」 2006/01/12 を予定。
1)では、授業の進め方(授業推進の方法)、練習問題と期末試験での成績評価方法、等についてガイダンスします。 又、材料の学び方、人は何を作ってきたのか、等についても工業材料序論として行います。
2)では、材料の分類、材料の製造、材料の加工法とその特性、などについて触れます。
3)〜7)の5回に亘っては、主に設計した製品/部品等が設計どおりに機能しているか等品質面主体の解析をする為の知識、試験方法、試験機の種類、等について学びます。
8)〜11)では、主に現代の代表的な工業材料の種類と特性、及びその特徴、等について学びます。
12)、13)では、工業材料の新材料系について理解を深め、その基礎知識の習得に努めます。
14)は、1)〜13)にて習得した事項に関する復習の意味合いで実施します。
- <成績評価方法及び水準>
- (1)練習問題の得点(MIN. 60点)と(2)期末試験の得点(MAX. 40点)の合計点で評価します。
評価の主体は、練習問題です。従って、期末試験を受けなくても(自由です)全11回の練習問題回答のレポート提出で単位取得が可能(最低評価点:C)となります。期末試験は、上述の復習の意味合いと成績評価(S,A,B,C)を決める為の参考に実施しますが、毎週、練習問題に取り組んでレポート提出していれば、大変楽な試験です。試験問題は、毎週努力した練習問題主体で出題します。試験は、教科書、自筆作成ノート、自筆作成レポートのコピー、電卓、の持込み可です。 レポート提出回数が11回に満たない場合の評価は、下記の方法で算出し、(1)+(2)の合計点60点以上を合格とします。
成績評価=(レポート提出回数/11回)×60点+期末試験点数(100点満点)×40/100点
合格の為には、期末試験で満点(100点→40点)でも、レポート点数が最低20点(MIN.提出回数:4回)必要となります。 仮に、レポート提出回数が6回であれば、持点は33点(小数点以下切り上げ)となりますので、合格の為には期末試験で最低66点(66点×0.4=26.4点→27点)取得する必要があります。同様に、7回であれば、持点は39点となり期末試験で51点(51×0.4=20.4→21点)取得する必要があります。
「機械システム工学基礎工学プログラム」の学習・教育目標、D、Cは上記の基準を満たせば達成されます。
- <教科書>
- 『機械材料工学』野口徹、中村孝共著、工学図書刊。
機械材料系の本では、実務に重点を置いた優れた専門書です。授業は毎週1章ずつ12章まで、分り難い箇所を補足しながら全てを行います。この機会に、練習問題を解きながら一冊読み切ってみるのも良い経験となるでしょう。
- <参考書>
- 岩波講座『現代工学の基礎』<材料系 I〜VIII、8分冊>、2001年5月〜2003年12月間の第1期刊行本、岩波書店刊、全16巻、32分冊。『現代工学の基礎』は、現在絶版中ですが、その中からシリーズ『現代工学入門』として、2005年2月より順次、単行本化が刊行されています。
- <オフィスアワー>
- 毎木曜日、授業終了後(14:45以降)。12F講師室、又はB-1Fカフェテリア等。授業終了時にお申し出下さい。
- <学生へのメッセージ>
- 授業は教科書主体で行います。練習問題を解いて、専門書の読み方等もこの際、身に付けて置きましょう。
教科書は、学部の専門課程(3,4年)、及び修士課程を対象に編纂されていますので、「ちょっと難しい」部分もあるかも知れませんが、いずれは平準化されてしまう内容でしょう。頑張って喰らい付いて見ましょう。 「工業材料」には、この授業で取扱う「固体材料」の他に、「液体材料」(ガソリン等の燃料、オイル、グリース、ワックス等の油脂、潤滑油類、等)、「気体材料」(空気、各種ガス類、等)、がありますが、時間の都合で割愛せざるを得ませんでした。 授業の主体となる「固体材料」でも、磁性材料、電池材料、半導体材料、等も、同じ理由で取り上げられませんが、これらの材料は、考えようによっては、次のステップ(「工業材料II」の位置付け?)に位置付けられる「材料群」かも知れません。 「工業材料」の世界は、規制の無い考えることが素直に楽しい「設計」の世界とは異なって、規制だらけで制約の多い息苦しい現実世界そのものですが、短期間に集中して取組んでみれば、達成感が自信となって得られることでしょう。 肩、肘、張らずに頭を突っ込んでみませんか。機械設計に必要な材料の基礎を、この際しっかりと身に付けましょう。 何故こんなところにこんな材料が使われているのだろうか…ということがきっと分る様になるでしょう。
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