2004年度工学院大学 第1部応用化学科

数学II(Mathematics II)[3409]

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2単位
堂前 和宏 助教授  
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最終更新日 : 2004/05/10

<授業のねらい及び具体的な達成目標>

後期は主として、多変数函数の微積分法について解説します。多変数函数は様々な面で1変数函数よりも複雑です。その原因は、変数の変化する方向が一定ではない点にあります。それ故に、そもそもグラフを描いて視覚化することが容易ではありませんし、極限の考察も困難であることが多いのです。
この講義では、前期に学習した1変数函数の微積分に関する知識を活用し、多変数函数の諸性質を調べる方法を習得することが目標です。また、抽象度の高い思考訓練を通して、論理的思考力に一層の磨きをかけてもらうことを目指します。

(前提となる基礎知識)

数学Iが学習済みであることを前提とします。

<授業計画>

第1週 : 広義積分(1変数)

前期に学習した積分の概念を少し拡張します。具体的にいうと、与えられた積分区間の端点で被積分函数が定義されていない場合や、積分区間が無限に長いケースを扱います。通常の積分と広義積分の見極めをつけられるようにすること、そして、定義に従って広義積分を計算できるようにすることがテーマです。

第2週 : 多変数函数の極限と連続性

数直線において、動点を1つの定点に限りなく近づける方法は、左からか、あるいは右からかの2通りしかありません。従って、1変数函数の極限を考察する場合は、左極限と右極限だけを調べれば良かったわけです。しかし、平面において動点を1つの定点に限りなく近づける方法は無数にありますから、2変数函数の極限を調べる際は、それらをすべて考慮しなければなりません。ここでは、極表示を利用することによって、2変数函数の極限を見通しよく考察できることを学びます。さらに、函数の連続性を判定できるようにしましょう。


第3週 : 偏導函数と高次偏導函数

多変数函数の偏導函数と高次偏導函数の計算法を学習します。一定の条件の下で、高次偏導函数は偏微分の順序によらないことを理解しましょう。


第4週 : 合成函数の微分法

多変数函数の場合、合成函数の微分法がどのような形になるのかを解説します。これは実用上、極めて重要な部分と言えます。特に、2次偏導函数の計算をできるようにしましょう。


第5週 : 多変数函数の極値(その1)

多変数函数の極値とは何かということを、実例を挙げながら解説します。それをしっかり理解してください。次に、極値点が必ず停留点であることを示し、その応用として2次函数の極値問題を考察します。最後に、2変数函数のテーラー展開についても扱い、一般の極値問題を解決するための準備を行います。



第6週 : 多変数函数の極値(その2)

ヘッセの行列式を利用して、2変数函数の極値問題を解決する方法を説明します。また、停留点を求めるために、高次の連立方程式を解くことも学習します。なお、ヘッセの行列式は万能ではなく、それが0となる場合は、機械的な判定ができないことに注意する必要があります。



第7週 : 陰函数

2変数(および3変数)の方程式で定まる陰函数とは何かを学びます。複雑な形をした曲線(または曲面)の性質を調べるため、それを局所的に函数のグラフとみなす考え方を理解しましょう。応用として極値問題を考察します。



第8週 : 多重積分と累次積分

立体を細分化し、1つ1つの断片を直方体とみなして体積を近似することにより、リーマン和の概念が登場し、その極限として2重積分が定義されます。このようにして得られた2重積分は立体の体積を表すことを理解しましょう。さらに、2重積分を累次積分に書き直して計算する方法を学びます。



第9週 : 積分順序の交換

一般に2重積分が与えられたとき、それを累次積分に書き直す方法は2通りあります。ここでは、その2通りの累次積分を書き換える練習を行いましょう。これによって、2重積分の計算法にいっそう習熟することができます。


第10週 : 変数変換公式(その1)

2重積分の変数変換公式とは、通常の積分(1変数函数の積分)の置換積分に対応するものです。まず、函数行列式について解説し、その後、公式を適用するために必要な条件を明らかにします。実例として、1次変換と簡単な極座標への変換を扱いましょう。



第11週 : 変数変換公式(その2)

2重積分を極座標に変換して計算することが要求されるケースの中で、比較的複雑なものを考察します。対応する領域を探すことがポイントになりますから、そのコツをしっかり身につけてください。



第12週 : 変数変換公式(その3)

より一般的な変数変換が必要となるケースを扱います。やはり対応する領域を探すことが主要テーマです。与えられた式の図形的な意味を把握できるようにしましょう。



第13週 : 線積分

後期の仕上げとして、2変数函数の接平面、全微分、微分形式、線積分について解説します。細かい話題が多くなりますが、1つ1つをしっかり理解してください。



第14週 : 定期試験

<成績評価方法及び水準>

毎回の授業で与える課題を1回あたり2点満点で評価した結果(26点満点)と、100点満点で実施する定期試験の得点を合計し、60点以上獲得した者を合格とする.

<教科書>

前期と同じ。

<参考書>

特に指定しない。

<オフィスアワー>

在室時はいつでも対応します。
在室予定表を研究室のドアに掲示しますので、参照してください。

<学生へのメッセージ>

前期よりも抽象度が高くなります。しっかり考える姿勢がとても重要です。
できる限り数学演習IIを履修してください。

<備考>

毎回の授業で与える課題を後日提出してもらうことになりますが、自力で取り組んだと認められるものだけを対象とします。他人のものを写したり、あるいは他人に写させたりしたものについては評価しません。また、この判断については一切の抗議を受け付けません。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft25883/

 

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