2003年度工学院大学 第1部建築学科 環境コース

芸術と社会I(Art and Its Social Aspects I)[4170]

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2単位
梅津 紀雄 非常勤講師

最終更新日 : 2003/05/10

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 戦争と革命の世紀としての20世紀を芸術作品によって振り返り、芸術と政治体制との緊張関係や、革命や戦争、大虐殺などの大事件の芸術的表象のあり方を具体的な作品にあたりつつ検証していく。

<授業計画>
第1回 イントロダクション:現代史と芸術表象
第2-5回 ロシア革命と芸術的プロパガンダ
第6-9回 第二次世界大戦の表象とナショナリズム
第10-13回 ホロコーストの芸術的表象

 授業で取り上げる予定の芸術作品を以下に順不同であげておく。
・エイゼンシテイン監督《ストライキ》
・同《戦艦ポチョムキン》
・同《10月》
・スピルバーグ監督《シンドラーのリスト》
・同《プライベート・ライアン》
・ラドフォード監督《1984年》
・ランズマン監督《ショアー》
・ザミャーチン『われら』
・オーウェル『1984年』

※なお、以上はあくまで計画であって、リアルタイムで起こった事件に対して、何らかの応答を行うために、修正を加えることがある。

<成績評価方法及び水準>
 出席とコメント、学期末の試験結果を総合的に評価し、60点以上の者に単位を認めます。成績評価方法および水準の詳細については第一回目の授業時に説明するので、必ず出席すること。

<教科書>
特に使用しない。

<参考書>
講義中に指示する。

<オフィスアワー>
授業開始前・終了後、兼任講師室で。

<学生へのメッセージ>
 2001年9月11日の同時多発テロ事件は、何よりもまずその映像によって衝撃を与えたが、貿易センタービルに旅客機が正面から激突し、ビルが崩れ落ちる映像をテレビ番組や映画の一部のように受け止めた視聴者も少なくなかった。それは、そうした映像をテレビや映画で見たことがあるような概視感があったからだろう。このように、テレビや映画で経験したことの蓄積は、私たちが現在経験することの認識に関わっているのである。今日、活字よりも映像や芸術表現などを通じて、歴史的事件を認識する傾向が強まっている。芸術表象を批判的に検討することが焦眉の課題となっている所以である。

 

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