2003年度工学院大学 第1部電気工学科

エネルギー・環境(Energy and Environment)[2295]

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2単位
浅野 浩志 非常勤講師

最終更新日 : 2003/05/10

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
本講義では、現在人類が直面しているエネルギー・環境の諸問題をまず基本的に解説し、ついでシステム工学および経済学のアプローチを活用し、地球温暖化問題などエネルギー・環境分野の諸問題を解析する。本講が、今後のエネルギー・環境問題を考える一助となることを示す。
以下に具体的な達成目標を示す。
(1) エネルギーおよび環境問題の内容と原因を理解すること
(2) 天然資源および環境の価値を評価し、効率的かつ公平なエネルギー・環境政策の考え方を理解すること
(3) エネルギー効率化技術等地球環境問題に対応するためのエネルギー技術および制度を設計するための基礎的手法と知識を体得すること

<授業計画>
第1週 [ガイダンス] エネルギーおよび環境問題の概説
第2週 [エネルギー需給の実態] エネルギーバランス表の見方、国内外のエネルギー需給構造について学ぶ。
第3週 [経済活動と資源・エネルギー需要] 経済発展とエネルギー・資源利用の関係について学ぶ。
第4週 [資源と技術] エネルギーと他の生産要素(特に資本)との代替可能性、枯渇性資源の価格上昇とバックストップテクノロジーの関係について学ぶ。
第5週 [市場の理論] 独占市場や競争市場におけるエネルギー価格形成、温室効果ガス(GHG)等環境負荷の環境外部性について学ぶ。
第6週 [国際石油市場] 現在最も利用されているエネルギー資源である原油価格の決まり方の歴史的変遷および予測手法について学ぶ。
第7週 [地球環境問題の経済分析] 地球環境問題とその対応策について学ぶ。
第8週 [エネルギー・電力価格と環境税] 自由市場における価格形成、環境税など環境外部性の内部化に関する経済的手段を講述する。
第9週 [リサイクルの経済学] 循環型経済社会構築の課題、リサイクル推進策について学ぶ。
第10週 [分散型エネルギーシステム] コージェネレーション、再生可能エネルギー、小型分散型電源などのエネルギー効率やCO2削減効果とネットワークエネルギーとの分担について学ぶ。
第11週 [エネルギー産業の規制改革] 電気事業の規制緩和など効率化政策とエネルギーセキュリティ・環境政策の整合性について考える。
第12週 [持続可能なエネルギーシステム] 効率化と環境保全を両立させるエネルギー政策、エネルギーシステムの構築を考える。

<成績評価方法及び水準>
原則として定期試験で最終成績を評価するが、出席状況、授業参加態度も加味する。

<参考書>
1) 「21世紀社会の選択-エネルギー・環境制約下での発展のために」、エネルギー・資源学会編(省エネルギーセンター)、
2) 「図解 エネルギー・経済データの読み方入門」、日本エネルギー経済研究所(省エネルギーセンター)

<オフィスアワー>
授業終了後20分。事前に電子メールでアポイントをとった上で対応。

<学生へのメッセージ>
社会に出たとき、技術者としての社会的な説明責任能力がますます問われている中、エネルギー・環境を題材に工学の役割を社会との関係で考える習慣を身につけることができます。

 

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