2003年度工学院大学 第1部電気工学科

生物学概論(Introduction to Biology)[5505]

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2単位
三田  オ 非常勤講師

最終更新日 : 2003/05/10

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 人間は生物の一部に過ぎない。しかし種々の学問は最終的には人間の生活改善のためにあると言える。20世紀末以降の生物学の発展は驚くべき早さである。これは医学の進歩に影響を与え、また工学がこの進歩に貢献している。我々は人間を理解する上で生物学の概略を知らねばならない。将来、自分の専門分野が現代生物学とどのように掛かり合うか知ることは大切であり、またその時にこの授業が役立つようにと考慮してある。
以下に具体的な達成目標を示す。
(1)細胞内小器官、生体の機能について理解すること(2)メンデルの法則、遺伝子、セントラルドグマについて理解すること(3)ヒトゲノムと生殖について理解すること(4)ホメオスタシス(神経系、内分泌系、免疫系)について理解すること(5)生態系と食物連鎖の意味を理解すること(6)環境汚染、生態系の破かい及び生態系の保全の重要性について理解すること
(JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」
(C) 基礎工学・専門工学知識の習得:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力: (c) (d)の(1)(2)a)b)c)d):◎ (h):○

<授業計画>
1.[ガイダンス]生物学の歩み(顕微鏡の発明、微生物と細胞の発見からライフサイエンスや遺伝子工学まで)
2.[細胞]細胞の概念、原核細胞と真核細胞の相異、細胞内成分、細胞膜について学ぶ。
3.[細胞]細胞内小器官および細胞内呼吸と肺呼吸(酸素の吸収と炭酸ガスの放出)の関係について学ぶ。
4.[生体の機能]三大栄養素である糖質、脂質、タンパク質の代謝とミトコンドリアの関係について学ぶ。
5.[生体の機能]ミトコンドリアとTCA(クレブス、クエン酸)回路およびATP合成について学ぶ。
6.[遺伝]メンデルの遺伝の法則、染色体、ヒトゲノム、遺伝子(遺伝情報)について学ぶ。
7.[遺伝]細胞周期とDNA合成期およびセントラルドグマ(DNA、RNA、タンパク質合成の道筋)について学ぶ。
8.[生殖と発生]性染色体、XY型(男性)とXX型(女性)、精子と卵子の合体と細胞分裂の開始について学ぶ。
9.[進化]受精から胎生期の個体発生は系統発生を繰り返すこと、また血管系、神経系、免疫系の進化について学ぶ。
10.[生体の恒常性維持機能]ホメオスタシス、神経細胞、神経の興奮の伝導と伝達について学ぶ。
11.[ホメオスタシス]生体防御、免疫応答、抗体産生、BとT細胞および体液性免疫と細胞性免疫について学ぶ。
12.[生態]植物の遷移と極相、植物による大気中の炭酸ガスの吸収と大気中への酸素の放出について学ぶ。
13.[生態]食物連鎖と環境ホルモン、環境汚染、オゾンホール、地球の温暖化、生態系の破かいについて学ぶ。
14.定期試験

<成績評価方法及び水準>
 原則として、定期試験の成績が60点以上の学生を合格とする。ただし、試験の点数が50点以上60点未満の学生でも講義内における小テストあるいは指定したレポートの内容が単位認定に価すると判断される場合には最終成績を60点とする。
「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

<教科書>
「現代生物学(図解生物学講座−6)」石原勝敏著(朝倉書店)

<参考書>
「DNAとRNA(図解雑学)」岡村友之著(ナツメ社)

<オフィスアワー>
金曜日5時限の授業前30分間。場所は八王子キャンパス1号館1階講師室で。または授業終了後に教室で。

<学生へのメッセージ>
 生物学の概略を学ぶことは人間がどのような機構で生活し得るか知ることになる。理解を容易にするため図表のプリントを豊富に用意する。復習と勉学に励み現代生物学の基礎知識と流れをしっかりと身につけてほしい。

 

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