- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
主に、2変数関数の微分積分を扱う。問題演習を通じて、「数学 II」で学んだ定義、定理や公式の理解を確かなものとする。達成目標は以下のとおり。
- 広義積分の収束判定法とその意義を理解する。
- 全微分可能性の意味を理解する。
- 重積分の定義と計算法を身につける。
- <授業計画>
【第1週】
1.[ガイダンス]:授業のねらい、成績評価方法などについて説明する。
2.[広義積分]:有界でない関数の積分や無限積分についての計算問題を演習する。
【第2週】
[広義積分の収束判定]:直接積分計算することなしに、広義積分の収束・発散を判定する方法として、比較判定法と商判定法を取り上げる。
【第3週】
[関数の極限]:2変数関数について、極限値の定義及び連続性に関する問題の演習。
【第4週】
[偏微分・全微分]:偏導関数の定義及び計算問題の演習。
【第5週】
[偏微分・全微分]続き:合成関数の微分公式成立のための必要条件である全微分可能性について学ぶ。
【第6週】
総合演習:第5週までの範囲全般にわたる問題を演習する。
【第7週】
[極値]:2変数関数の極大値・極小値を求める問題の演習。
【第8週】
[接線、法線、接平面、法平面]:微分法の応用として、接線、接平面などを求める問題を演習する。これは3次元図形への理解を深める目的もあり、必要なら直線及び平面のベクトル方程式について解説する。
【第9週】
[Riemann積分]:多変数関数の定積分の「定義を理解する」ために、まず1変数関数の定積分の定義を見直す。関連して、定積分を用いた近似値計算法のひとつである区分求積法を学ぶ。
【第10週】
[重積分]:2変数関数の定積分の定義と、長方形領域(閉区間)における累次積分との同一性に関する演習。
【第11週】
[重積分]続き:連続関数で囲まれた領域における重積分と累次積分との同一性に関する演習。
[第12週]
[重積分]続き:置換積分法の演習と体積の計算。
【第13週】
総合演習:第7週以降の範囲全般にわたる問題を演習する。
【第14週】
<定期試験>
- <成績評価方法及び水準>
定期試験で60点以上の者に単位を認めます。
ただし、レポートを提出した場合、それが独自の視点で考察したものの場合に限り、レポート30%、定期試験70%として評価します。
- <教科書>
「微分積分演習(下)」(生協扱い)予定
- <参考書>
「新編 微分積分学(増訂版)」 小松勇作 (廣川書店)
「詳説演習 微分積分学」 塹江誠夫・桑垣煥・笠原晧司 (培風館)
「プログラミングPerl 第3版 Vol.1/Vol.2」 Larry Wall、Tom Christiansen、Randal
L. Schwartz (オライリー/オーム社)
注意:これらはいずれも「参考」の書ですから、購入する必要はありません。
- <オフィスアワー>
木曜日3限終了までの休み時間、八王子校舎1号館講師室。
電子メールでの質問も受け付けます。E-Mail:cherry@mars.interq.or.jp
(演習科目ですから授業時間内にいつでも質問してください。)
- <学生へのメッセージ>
高校から慣れ親しんできた(と思う)微分積分の変数を1つ増やし、2変数関数の微分積分を学びます。変数が2倍になると計算量も2倍(以上)になりますが、計算の複雑さは理論の本質ではありません。なるべく平易な問題を取り上げ、1変数の場合との類似点・相違点を明確にしたいと思います。
- <参考ホームページアドレス>
http://www.interq.or.jp/mars/cherry/kogakuin/index.html