2003年度工学院大学 第1部電気工学科

物理学実験(Experiments in Physics)[3308]

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1単位
渡部 隆史 助教授
幸村 孝由 講師

最終更新日 : 2003/05/10

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
物理学に限らず,理工学を学ぶ上では理論を学び(講義),理論を応用する(演習)だけでは不十分であり,実験による物理事象の検証・発展を必要とする。そのためには,理論の理解に加え,

  • 測定装置の構造の理解,適切な使用
  • 正確な実験の実行
  • データ(特に誤差,精度)の正しい理解
  • 必要事項をすべて網羅しかつ無駄のないレポートによる報告

が必要となる。本実験では,基本的な物理事象を用いて,これらの点について基本的理解・実践を行うことを目的とする。
実験に対する理解の度合いは,報告レポートに如実に現れる。また、レポートをまとめることにより実験の理解を深めることにもなる。「授業計画」に示す実験テーマごとに報告レポートを提出してもらい,各実験そのものだけではなく,実験とは何かを理解していく。最終的には,実験について何も知らない読者が初読で追実験を行うことができるレベルのレポートをまとめることができるようにする。
また、昨年度のノーベル化学賞について話題にもなったが、研究報告には「早い者勝ち」的なところがある。したがって、どんなに小さな実験であっても、どんなに基本的な実験であっても、速やかに報告をまとめる訓練を今から始める必要がある。そういったわけで、レポートの締め切りについては厳しくするつもりでいる。

<授業計画>
<第1週>実験の概要説明
<第2週>誤差の取り扱いと解説,レポート作成の基本説明
<第3〜10週>
 ●実験実践の理解
  実験テーマ1: 粉粒体の密度測定
  実験テーマ2: 重力加速度の測定
  実験テーマ3: 弾性率の測定
 ●実験装置の理解
  実験テーマ4: 光の回折による微細構造の測定
  実験テーマ5: 熱電対の校正
 ●物理量の測定
  実験テーマ6: 気体の励起エネルギーの測定
  実験テーマ7: 電磁コイルの特性測定
  実験テーマ8: 磁性体の磁気的特性の測定
<第11週>レポートの修正
<第12週>レポートの修正
<第13週>予備日

<成績評価方法及び水準>
8つの実験テーマごとに実験報告のレポートを提出してもらう。レポートは,

  1. レポートの概要
  2. 物理学的動機
  3. 実験方法・実験理論
  4. 測定結果
  5. データ解析
  6. 考察

に分け,それぞれを4段階評価(0〜3)で評価する(18点満点)。したがって,144点満点となるが,これを100点に規格化し成績を評価する。ただし,8テーマすべてについて,レポートが提出されていることを必要条件とする。

<教科書>
「物理学実験テキスト」(工学院大学物理学教室編)

<オフィスアワー>
水曜日 11:10〜12:30 (八王子校舎1号館209室)

<学生へのメッセージ>
オフィスアワー以外でも質問は歓迎する。ただし,必ず研究室に在室しているとは限らないのでE-mailを利用するか事前にアポイントメントを取るように(ft11196@ns.kogakuin.ac.jp)。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft11196/

 

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