2003年度工学院大学 第1部電気工学科
△作家とその世界(Works of Literary Giants)[1316]
2単位 永野 宏志 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 20世紀の<ヴァーチャル・リアルな歴史物語hi/storyの系譜>を1920年代以降の電気的メディアとの関係において考える。電信電話・映画・ラジオ・TV・ヴィデオから、80年代以降の我々のコンピュータによるデジタル時代にかけて、文学がどう変容したかを江戸川乱歩、夢野久作、安部公房、荒俣宏の幻想小説によって辿る。急激に身近になった<イメージする行為>を欧米の作家との対比で時代を追って比較検討する。
- <授業計画>
- 1〜3回
江戸川乱歩『怪人二十面相』とP・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』 (コピーとシミュラークル) 4〜6回 夢野久作『ドグラマグラ』とアーサー・C・クラーク『2001年宇宙の旅』 (エンドレス/永遠回帰) 7〜9回 安部公房『砂の女』とウィリアム・バロウズ『裸のランチ』 (ノーマンズランドとビートニク) 10〜12回 荒俣宏『帝都物語』とウィリアム・ギブスン『記憶屋ジョニー』 (コンピュータとサイバーパンク) 13回 まとめ ヴァーチャルリアリティーとデジタル時代の物語表現
- <成績評価方法及び水準>
- きちんと授業に出席し、学期末試験を受験し、各単元の終わりに課す小レポートを加味して、総合的に評価した結果、60点以上の者に単位を認めることとする。成績評価方法の詳細については第1回の授業時に説明する。 小レポートを1回でも欠席した場合は期末のテスト受験資格はなしとする(もし受験したとしても無効)。
- <教科書>
- 長編が多いので、毎回プリントで提示する。
- <参考書>
- そのつど授業で指示する。
- <オフィスアワー>
- 八王子校舎で、授業終了後10分ほど。
- <学生へのメッセージ>
- SFファンタジーをただスペクタクルとして享楽し消費するのではなく、メディアが操作するさまざまな物語の力の典型として学び、個々の批判力を養うことを期待する。
- <備考>
- 私語厳禁、もしした者は即退出してもらい、単位の保証はしない。
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