2003年度工学院大学 第1部電気工学科

作家とその世界(Works of Literary Giants)[1316]

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2単位
永野 宏志 非常勤講師

最終更新日 : 2003/05/10

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
20世紀の<ヴァーチャル・リアルな歴史物語hi/storyの系譜>を1920年代以降の電気的メディアとの関係において考える。電信電話・映画・ラジオ・TV・ヴィデオから、80年代以降の我々のコンピュータによるデジタル時代にかけて、文学がどう変容したかを江戸川乱歩、夢野久作、安部公房、荒俣宏の幻想小説によって辿る。急激に身近になった<イメージする行為>を欧米の作家との対比で時代を追って比較検討する。

<授業計画>
1〜3回
 江戸川乱歩『怪人二十面相』とP・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』
 (コピーとシミュラークル)
4〜6回
 夢野久作『ドグラマグラ』とアーサー・C・クラーク『2001年宇宙の旅』
 (エンドレス/永遠回帰)
7〜9回
 安部公房『砂の女』とウィリアム・バロウズ『裸のランチ』
 (ノーマンズランドとビートニク)
10〜12回
 荒俣宏『帝都物語』とウィリアム・ギブスン『記憶屋ジョニー』
 (コンピュータとサイバーパンク)
13回
まとめ ヴァーチャルリアリティーとデジタル時代の物語表現

<成績評価方法及び水準>
きちんと授業に出席し、学期末試験を受験し、各単元の終わりに課す小レポートを加味して、総合的に評価した結果、60点以上の者に単位を認めることとする。成績評価方法の詳細については第1回の授業時に説明する。 小レポートを1回でも欠席した場合は期末のテスト受験資格はなしとする(もし受験したとしても無効)。

<教科書>
長編が多いので、毎回プリントで提示する。

<参考書>
そのつど授業で指示する。

<オフィスアワー>
八王子校舎で、授業終了後10分ほど。

<学生へのメッセージ>
SFファンタジーをただスペクタクルとして享楽し消費するのではなく、メディアが操作するさまざまな物語の力の典型として学び、個々の批判力を養うことを期待する。

<備考>
私語厳禁、もしした者は即退出してもらい、単位の保証はしない。

 

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